【男主】黒い水槽の白い魚【リアアカ】 (ページ13)

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「十日後、十日後の五月五日の23時59分を持ってリアルアカウントの全サーバーをシャットダウンすることが決定致しました」

「これが昨晩の会見…。こんな事になっていたとは」

あやめさんが見ているのは、昨日のリアアカの社長さんの会見。
死人を増やさないように、このリアアカをシャットダウンする事にした。ということだった。

『じゃあ、あと九日までに全クリをしないといけないんですよね』

空気が重くなるのを感じる。皆死にたくないんだな。まぁ、僕もそうなんだけど。

すると、桐谷さん(キリカの中の人)が話に首を突っ込んでくる。
あやめさんは桐谷さんが気に入らないのか、着いてくるな。と言っている。

「役に立ったら仲間にしてくれるんだね！？
絶対、諦めないから！」

桐谷さんの大声が響く。
そんなに、仲間にしてもらいたいのか…。なんか、感心した。

桐谷さんをおいて、リゾート内を探索している。
ショッピングをしたり、寝たり…、あんな事もしている人がいた。

「A君は見るんじゃない」

あやめさんの手で目を隠される。

『僕だって、そういう事知っている歳ですけど？』

「は、ハレンチ！！」

何故か顔が赤くなっているユウマ君とあやめさん。まぁ、わかってるんだけどね。天然のふりしてないと。

沈黙が流れているとき、ピコンっとメッセの着信音がした。ユウマ君のようだった。
内容は「なんですか？」と話がよくわからない文章…と、カウントダウン。

「返信っ…と」

ユウマ君は「送る相手間違ってますよ」と返信していた。

「俺らもホテル戻るか？まじで、今日ゲームしなくていいのかも__」

あ、またあやめさんの顔が赤くなった。
___あ。

クイッとユウマ君の服の袖を引っ張ると、どうかしたのか心配してくれる。そして、とある方向に指を指す。

「何だよ……これ」

僕が指を指したのは、首を吊っている人。他にも見渡すと、数人発見できた。

『ユウマ君、あやめさん…。これってもしかして…』

「死刑死刑死刑～～！まったく殺っても殺っても、凶悪犯罪は後を絶ちませんね～～」

パトカーに乗っているマーブル。
そして、掛け軸に書いてある言葉は…

「既読スルーは犯罪です！」

既読スルーをしたら即死刑の、既読スルー撲滅運動はもう始まっていたのだ。