アインの文書保管庫 (ページ1)

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Just a sign , Like a child . ページ1

あるところに、ごく普通の道路標識と、小さな子供がいた。
その子供母親とその標識の前をよく通っていて、通る度に子供は指をさし、決まってこう言っていた。

「あかいろー！」
「そうね、同じ赤色だね」

それから数年、茜と呼ばれたその少女に悲劇が襲う。飲酒運転をしていたドライバーに轢かれ間もなく－
そして、その看板の支柱は彼女の血の色に染まっていた。

彼女の死は学校や近所にすぐに広まった。
とてもイタズラ好きで、いつもみんなを笑わせるイタズラをしていた。

数日後、看板が大きな話題となる。

「……受け入れがたい事実ではあるが」
「落石事故……ですよね？」
「おかしい。ここ一帯は開けた平野。落石なんて起こる環境じゃない」
「…………」

防犯カメラには止まれから落石注意へ変化する標識が映っていた。
出現した石は助手席の女も巻き込み、犯人の男も潰した。

その事に満足したのか、標識は動き出した。

エージェントが映像を確認する。
支柱をよじらせ笑い転げるような動きをする標識と、蔑みの眼差しを向ける透けた少女がいた。

「……確認済み。クラスA記憶処理及びカバーストーリー『前方不注意による衝突事故』の流布、証拠の処分偽造、映像の回収を行います。」

SCP-910-JP【シンボル】
Euclid>Keter
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