最強カップル！？3 (ページ40)

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part3　貴方side ページ40

「あーあそこの床傷んでるって言ったのに」

「悲しきかな。暴力では真の勝利はつかめない」

『いや、キャラがつかめないわ！』

よく見ると、天井もボロボロで所々、壁も剥がれてる。
一番よく働いているのは園長らしく、片っ端から格安で待機児童や不登校児を預かってるとのこと。

前原「29人で2週間か。…なんか色々出来んじゃね？」

そこで、磯貝中心に手分けをして園長の代わりを務めることに。

と、角で1人、遊んでいる男の子がいた。
ポツンと１人でいる姿は、昔の私を想像させた。

『ねぇ君。なにしてるの？』

「え…？」

『皆と遊ばないの？』

「…良いんだ。その方が」

『ふぅ～ん。ねぇ君名前は？』

「…橘…春斗」

『春斗くん？良い名前だね！私は美崎A。よろしくね！』

春斗「…さっきの話聞いてた？」

『おねーさん、弱そうに見える？』

春斗「いや…」

『じゃあ春斗くん。君は何歳？』

春斗「7歳」

『そっか！』

…この子の情報は、どうやら自分の口では話してくれなさそうなので後々聞くとして、

『勉強は？』

春斗「分からないもん。」

もんですって。可愛いな！

『おねーさん教えてあげる！どこ？』

(((((お前のキャラもどうした…)))))

何て声は聞こえないです。

と聞くと差し出してきたのは、算数のワーク。の、引き算。やっぱり勉強遅れてるな…。まぁ、ここにずっといれば文句はないか。

春斗くんに、引き算をできるだけ分かりやすく説明し、課題を出して取り組んでいるところを抜け出し、保育士さんのところへ。

『すみません、春斗くんってどういった経緯でここに？』

「あぁ、春斗くんは親が、その…犯罪者と言いますか、それで学校でもいじめられて、少し人間不信になっているところがあるといいますか…」

『わかりました。ありがとうございます。』

席に戻ると既に取り組み終わったのかボーッとしていた春斗くん。

『ごめんね、終わった？』

春斗「どこに行ってたの？」

『へ？』

…まずい、気がする

春斗「どうせ、僕のことを聞きに行ってたんでしょ？」

『そうだね。』

春斗「どうせ、知ったからお前も離れていくんだろ？」

そういう春斗くんの視線は冷たくて"もう誰も信じられない"近づかないで欲しい。

そんな表情の他に、離れないで、とでも言いたそうな感情が見えた。

『ねぇ、春斗くん。おねーさんの話も聞いてくれる？』