長男と家政婦さん【４】

EP.78-5 ページ36

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JN「なんでそんな事言うの。僕はどんなAちゃんでも魅力的だと思うしなんなら昔のAちゃんの姿見てソジュンさんが羨ましいって思ったよ」










「羨ましいって...」










JN「だってソジュンさんの前ではAちゃん色んな表情見せてるでしょ？」









「いや..まあ..」








ソジュンとの再会を良く思っていなかったはずのジンさんは車内の時の殺伐とした雰囲気とは違い唇を尖らせ拗ねた時のような可愛らしい表情を見せる。それと同時にどこかスッキリしたような感じからソジュンと話した事は彼にとってそれほど悪いことではなかった事が分かる







JN「なんならさん付けだってやめて欲しいって思ってるし、僕にも少し冷たくしてほしい」









「ええ...、？」








JN「この際だから言うけど本当にAちゃんの事になると僕情けないほど余裕なくなるしなんならAちゃんを目に入れたって痛くないって思ってるから」








「......」









JN「あ、今気持ち悪いって思ったでしょ」








「あ、すみません。ソジュンみたいこと言うからつい..」







半分冗談、半分本音でそう言えばジンさんは"ヤァ！"と反論するように騒いでいたけど顔は笑っているから彼の言っていた私に冷たくされたいという話は本心だった事が分かる。...まあ冷たくされたい、というよりかはソジュンのように気を遣わない関係になりたいという方が正しいのかもしれないけど..








「..とにかく、今日の夜ご飯はここのルームサービスってことでいいですか？」








JN「あ、うん。お酒なんかも頼んじゃう？」








「.....」









いつもはお酒なんて誘ってこない筈なのに。やっぱり今日のジンさんは少し変わってる。...いや、変わったのではなく彼もまた私と同じで猫を被っていただけなのかもしれない。そう思うと蟠りがスっと消えていくような軽い気持ちになるから不思議だ。彼とは喧嘩をしたわけでもすれ違っていた訳でもないのに..



もう充分に近付いた彼との距離が更にグンと近づいたように感じ気分が良くなった私は彼の誘いに笑顔で頷いた。









JN「え、いいの？」







「はい。せっかくなんで今日は楽しみましょ」












家政婦として彼らをサポートしているからこそ付き合ってからも中々距離が縮まらなかった私たち。これからは少しずつ着実に距離を縮めていけたらいいな..、なんて考えながら私は笑顔で答えた。



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