. ページ39
.
結局大学まで着いてきた先輩を正門前で待たせて、私は教授の部屋へと走った。
ユンギ先輩を待たせたら面倒臭いからね。
.
.
『……失礼しました』
一礼して部屋を出る。案外早く済んで良かった。
時計を確認し、先輩の待つ正門へ続く廊下を走った。
.
.
そして、曲がり角に差し掛かった時。
「Aちゃん。」
低くて聞きなれたあの声が、私の名前を呼んだ。
急に現れたその人に、心臓が跳ねる。
どうして?今日は大学自体は休みなのに、
.
『……テヒョンくん、』
「Aちゃん。今日はね、確認したいことがあって」
そう言ってコテンと首を傾げるテヒョンくんに、嫌な予感がした。
先輩と付き合ったことは、テヒョンくんには言ってない。…言ったら色々面倒臭そうだから。
…もしかして、バレた?私言ってないけど。
.
嫌な予感が的中した。テヒョンくんはにっこり微笑んだまま、ずい、とスマホの画面を押し付けてきた。
「ねぇ、Aちゃん。このAちゃんの隣にいる男は誰?」
『……あ、』
「最近Aちゃん、僕と遊んでくれないでしょ?気になって。…で?この男はAちゃんのなんなの?」
『…ごめんね、言ってなかった。この人は私の彼氏で、』
「…え、彼氏?それってさ、トモダチよりも大切にするべきものなの?」
キョトン、とそれはそれは不思議そうに聞いてくるテヒョンくん。
…いつも適当に流して終わることができるけど、これは面倒臭いことになる予感がする。
.
『……ごめんね?どっちも大事だよ』
「…ダメだよそれじゃ。
Aちゃんの優先順位1位は、トモダチの僕じゃなきゃ」
『……テヒョンくん?』
…彼は、一体私に何を求めているの?
1204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちむたろう(プロフ) - さきさん» えぇ、嬉しすぎます!さきさんのストライクゾーンを無事射抜けたようで嬉しいですふふふ!(⌒-⌒)「?」本当に気に入って頂けたみたいで嬉しいです!ありがとうございます.......!! (2020年3月10日 16時) (レス) id: 480aaa9b57 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ところどころ、「?」につながっているところとかこの犯人が誰かわからない、ちょっと身震いしそうな物語マジでストライクゾーンです。素敵な作品ありがとうございます!!もう私の頭からはストックホルム症候群は離れそうにないです(( (2020年3月9日 22時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - いつきさん» いっちゃん…あんた嬉しい事言って…!!!(誰だよ ありがとう!そんなふうに言ってくれて嬉しい!!更新頑張るよ!最後に言わせて、すき(はーとはーと) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい引き込まれています…凄すぎます。毎日毎日更新される通知が来るたび見ています、本当に大好きな小説です…。これからも応援しています、頑張ってください( ; ; ) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - さくらんぼさん» さくらんぼさん!『最後の手紙』、大好きです!(●´▽`●)コメントありがとうございます!嬉しいです!ユンギさんですか…!ふふ、最後までお付き合いくださいね(¯v¯)!素敵なコメントありがとうございました! (2020年2月18日 22時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年2月15日 17時