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「……ははっ、ほんと、……お前といると、飽きねぇわ」
『…ですか?』
浜辺と海の境界線。その中で、転んだまま、そのまま、先輩が私を見つめてる。
その真っ直ぐな瞳に、吸い込まれそうで、怖かった。
『……先輩?』
「… たまにはバカになってもいいよな、」
『へ、……って、きゃ!!』
バシャン、っと大きな水の音とともに、ユンギ先輩と一緒に、海の中へ寝転がる。
冷たくて、まっさらな海の淵に。
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「… まだお前の中に、グクってやつがいるの?」
『……それは、』
ユンギ先輩から、目を逸らせない。けど、私は。
… 私の中には、まだ。グクがいる。
" A! "
目を閉じたら、いつでもこの声が私を呼ぶ。いつでもまぶたの裏で、グクが笑ってる。
本当につくづく思う。自分はバカだって。
叩かれたことなんて、とうの昔に忘れてる。
あの時、許していたら。私は今でも、心の底から笑えていたのだろうか。
けれど。
あのまま無理に押し進めた未来はきっと、悲惨なものになっていた。そんなことは、目に見えていた。
他に道はなかった?
…きっと、なかった。
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『…… 忘れました、もう。…ていうか、忘れなきゃダメです。私、グクのこと好きすぎたんです。… だから、』
「… A」
不意に、唇に柔らかい感触を感じた。
それに、なんの意味があったんだろう。
ユンギ先輩は何を思ってキスをしたのかな。
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目を閉じ、ユンギ先輩のキスを受けいれる。
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引いたり寄せたりする波に、そのままグクへの思いを捨てられたらいいのに。
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ちむたろう(プロフ) - さきさん» えぇ、嬉しすぎます!さきさんのストライクゾーンを無事射抜けたようで嬉しいですふふふ!(⌒-⌒)「?」本当に気に入って頂けたみたいで嬉しいです!ありがとうございます.......!! (2020年3月10日 16時) (レス) id: 480aaa9b57 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ところどころ、「?」につながっているところとかこの犯人が誰かわからない、ちょっと身震いしそうな物語マジでストライクゾーンです。素敵な作品ありがとうございます!!もう私の頭からはストックホルム症候群は離れそうにないです(( (2020年3月9日 22時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - いつきさん» いっちゃん…あんた嬉しい事言って…!!!(誰だよ ありがとう!そんなふうに言ってくれて嬉しい!!更新頑張るよ!最後に言わせて、すき(はーとはーと) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい引き込まれています…凄すぎます。毎日毎日更新される通知が来るたび見ています、本当に大好きな小説です…。これからも応援しています、頑張ってください( ; ; ) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - さくらんぼさん» さくらんぼさん!『最後の手紙』、大好きです!(●´▽`●)コメントありがとうございます!嬉しいです!ユンギさんですか…!ふふ、最後までお付き合いくださいね(¯v¯)!素敵なコメントありがとうございました! (2020年2月18日 22時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年2月15日 17時