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「……とりあえず落ち着いたか?」
『……はい。さっきはすみませんでした、』
ったく、っと呟いた先輩が、私の隣に座った。
あぁ、この感じ。前にグクが私の家に来てくれた時と一緒だな。なんて。
しばらくの沈黙のあと、ユンギ先輩が口を開いた。
「……何があったか聞いてもいいか?」
気を使ってくれてるのか、そんな言い方をする先輩に、また泣きそうになる。
私は唇をかんで泣きそうになるのを堪えながら、少しずつ、さっきのことを話し始めた。
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「……叩かれた?」
『……はい、』
「ジョングクって……前にここで会ったやつか、」
『はい、……けど、いつもはそんなことしないんです!…普段は優しい人で、』
「……A、」
あんなことはあったけど、グクを悪者にはしたくない。
今まで助けてきてもらったこと、一緒に過ごしてきた日のこと、なかったことにはしたくない。
…けどそんな私を見て、ユンギ先輩は言った。
「…距離をおけ。そういうやつは普段優しくても、いつまた手を上げてくるかわかんねえぞ。」
『…でも、』
「A、」
反論する前に、ユンギ先輩に肩に手を置かれて何も言えなくなってしまう。
「…今回のことがいい教訓になったと思う、俺は。
これを機に、1回そいつとの距離感、考え直した方がいいよ。」
『…先輩、』
「じゃないとお前、
……一生、そのジョングクってやつに依存したままになるぞ。」
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ガツン、と頭を殴られたような感覚。
"依存"
…そっか。
私、今までずっと、グクに依存してたのかもしれない。
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『……はい。距離置きます。グクのためにも。』
「…とりあえず今日はバイト出なくていい。店長にも言っとくから。俺ももう終わったから、送ってく、」
『…ありがとうございます、』
そう言って出ていったユンギ先輩を見送る。
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…私、やっぱり、ダメだな。
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ちむたろう(プロフ) - さきさん» えぇ、嬉しすぎます!さきさんのストライクゾーンを無事射抜けたようで嬉しいですふふふ!(⌒-⌒)「?」本当に気に入って頂けたみたいで嬉しいです!ありがとうございます.......!! (2020年3月10日 16時) (レス) id: 480aaa9b57 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ところどころ、「?」につながっているところとかこの犯人が誰かわからない、ちょっと身震いしそうな物語マジでストライクゾーンです。素敵な作品ありがとうございます!!もう私の頭からはストックホルム症候群は離れそうにないです(( (2020年3月9日 22時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - いつきさん» いっちゃん…あんた嬉しい事言って…!!!(誰だよ ありがとう!そんなふうに言ってくれて嬉しい!!更新頑張るよ!最後に言わせて、すき(はーとはーと) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい引き込まれています…凄すぎます。毎日毎日更新される通知が来るたび見ています、本当に大好きな小説です…。これからも応援しています、頑張ってください( ; ; ) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - さくらんぼさん» さくらんぼさん!『最後の手紙』、大好きです!(●´▽`●)コメントありがとうございます!嬉しいです!ユンギさんですか…!ふふ、最後までお付き合いくださいね(¯v¯)!素敵なコメントありがとうございました! (2020年2月18日 22時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年2月15日 17時