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「……へへっ、……Aちゃん、僕ね、トモダチできたの初めてで、」
『…そうなんだ、』
「初めてのトモダチがAちゃんで嬉しいなぁ」
そう言ってえへへ、と笑うテヒョンくんは本当に嬉しそう。
たぶん、私の顔は引き攣ってるだろうけど。けど、テヒョンくんはそんなのお構い無しに話し続けてる。
相当友達が出来たのが嬉しいんだろうか。声音も高くて、ちょっと早口だ。
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そんな彼に、少し気になってることを聞いてみた。
『…けど、なんで私なんかに声かけてくれたの?その、…前から話したい、って言ってくれてたよね?』
「あぁ、…入学してからすぐにね。色々あって。…Aちゃんは覚えてないだろうけど、」
入学してから、すぐ?
…必死に記憶をさかのぼってみるけれど、あいにく、テヒョンくんのことは思い出せない。
はじめて講義室で声をかけてくれた時のことが、まだいちばん古い記憶だった。
うーん、と考えていると、テヒョンくんがおずおず聞いてきた。
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「…Aちゃんは、なんであんなにグクくんと仲がいいの?」
『…え?そういえばなんでだっけ、』
グクとは大学に入ってはじめて出会った。…けど、あれ。
たしかに、学部もサークルも違うグクと、どうやって仲良くなったんだろう。
入学式?オリエンテーション?…ダメだ、思い出せない。
『……思い出せないなぁ、なんでだっけ、』
「…そっかぁ。…いいな、グクくんは。
…Aちゃんと仲良しで。」
『えぇ?そんなことないよ。あいついつも悪態ばっかついてくるし、性格もひんまがってるし、…まぁ、…感謝はしてるけど、』
自分で言ってて照れてるのが最高に気持ち悪い。うわ。
まぁ、そうだよね。グクがいなかったら、私、きっと大変なことになってただろうし。
グクにちゃんと、ありがとうって言いたいな。
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「…ねぇ。」
『あっ、何?』
テヒョンくんの声で我に返る。
…さっきまではしゃいでいたテヒョンくんが、無表情で私を見てるから、少しびく、とした。
けど、テヒョンくんはすぐににこりと笑い、席を立った。
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「…今日は帰るね。
Aちゃん、
…また明日ね、」
『……え、あ、うん。バイバイ、』
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また明日か、そうだよね。
友達だもん。
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ちむたろう(プロフ) - さきさん» えぇ、嬉しすぎます!さきさんのストライクゾーンを無事射抜けたようで嬉しいですふふふ!(⌒-⌒)「?」本当に気に入って頂けたみたいで嬉しいです!ありがとうございます.......!! (2020年3月10日 16時) (レス) id: 480aaa9b57 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ところどころ、「?」につながっているところとかこの犯人が誰かわからない、ちょっと身震いしそうな物語マジでストライクゾーンです。素敵な作品ありがとうございます!!もう私の頭からはストックホルム症候群は離れそうにないです(( (2020年3月9日 22時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - いつきさん» いっちゃん…あんた嬉しい事言って…!!!(誰だよ ありがとう!そんなふうに言ってくれて嬉しい!!更新頑張るよ!最後に言わせて、すき(はーとはーと) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい引き込まれています…凄すぎます。毎日毎日更新される通知が来るたび見ています、本当に大好きな小説です…。これからも応援しています、頑張ってください( ; ; ) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - さくらんぼさん» さくらんぼさん!『最後の手紙』、大好きです!(●´▽`●)コメントありがとうございます!嬉しいです!ユンギさんですか…!ふふ、最後までお付き合いくださいね(¯v¯)!素敵なコメントありがとうございました! (2020年2月18日 22時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年2月15日 17時