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「……うわ、なんだよこれ」
無数の私の写真を見て、さすがのグクも困惑した様子だった。
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「お前これ、……なんで昨日連絡してこなかったんだよ」
『ちょっと、…焦っちゃって、ごめん』
「……A、」
俯いて少し震える私の後頭部を、グクが、グイ、と引き寄せた。
グクの胸元に、ぽす、と埋まる。鼓動の音が、聞こえる。
グクのその手がそのまま、優しく、髪を撫でてくれる。
うわ、どうしよう。泣きそうだ。
グクに甘えすぎ、って、ちゃんと自制しようって、思ったばっかりなのに。
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『…………ぅ、っえ、』
グクの服にしがみつき、ボロボロ泣いた。
この間、グクは何も言わず、ただ、頭を撫でてくれていた。
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「…落ち着いた?」
『うん、…ごめん』
やっと落ち着いた頃。ソファに座る私に、グクがコンビニで買ってきてくれたペットボトルを渡してくれた。
どさ、とグクも私の隣に腰を下ろす。しばしの沈黙のあと。
『…警察、いった方がいいのかな?』
さすがに、私たちだけでは解決できない気がするし。
そう思って提案してみたけど、グクはあまりいい顔をしてなかった。
「…警察は、協力してくれねぇよ。どうせ」
ぽつん、とそう呟くグク。
『どういうこと?』
「…いや、とにかく警察はだめ。」
そう言うと、グクが私に向き直った。真っ直ぐな瞳に、鼓動がはやくなる。
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「俺がいるから、大丈夫だよ。心配すんな、」
な?と笑うグク。いや、だけど。
『だめだよ。だって、グク彼女いるんでしょ?』
「……、」
『もともと、こうしてるのも、本当はダメなわけで』
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ぐっ、と泣きそうになるのを懸命にこらえ、グクの胸元をとん、と押した。
『私はもう大丈夫だから、
お願い、今日は帰って、』
もう、グクに頼りたくない。
好きになりたくない
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ちむたろう(プロフ) - さきさん» えぇ、嬉しすぎます!さきさんのストライクゾーンを無事射抜けたようで嬉しいですふふふ!(⌒-⌒)「?」本当に気に入って頂けたみたいで嬉しいです!ありがとうございます.......!! (2020年3月10日 16時) (レス) id: 480aaa9b57 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ところどころ、「?」につながっているところとかこの犯人が誰かわからない、ちょっと身震いしそうな物語マジでストライクゾーンです。素敵な作品ありがとうございます!!もう私の頭からはストックホルム症候群は離れそうにないです(( (2020年3月9日 22時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - いつきさん» いっちゃん…あんた嬉しい事言って…!!!(誰だよ ありがとう!そんなふうに言ってくれて嬉しい!!更新頑張るよ!最後に言わせて、すき(はーとはーと) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい引き込まれています…凄すぎます。毎日毎日更新される通知が来るたび見ています、本当に大好きな小説です…。これからも応援しています、頑張ってください( ; ; ) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - さくらんぼさん» さくらんぼさん!『最後の手紙』、大好きです!(●´▽`●)コメントありがとうございます!嬉しいです!ユンギさんですか…!ふふ、最後までお付き合いくださいね(¯v¯)!素敵なコメントありがとうございました! (2020年2月18日 22時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年2月15日 17時