. ページ5
.
翌日。久々のデートだから気合いを入れて、いつもより少しだけ自分を可愛くしてみた。
.
……そんな私たちが来たのは。
遊園地でも、オシャレなカフェでもない。
まさかの、市役所だった。
.
｢今日は全部俺に任せて｣なんて張り切るグクに、黙って着いてきた結果がこれだ。
呆けている私をぐいぐいと引っ張って、グクはあるものをカウンターからとってきた。
.
『……え？それ、』
｢これ？わかるでしょ？
婚姻届。｣
『……は？』
開いた口が塞がらないとはこのことかもしれない。
…グクが何を考えているのか、私には理解できなかった。
.
｢じゃ、帰ろ｣
『え、ちょ、』
｢？何？デートなら家で続きすればいいでしょ？｣
『いや、そういうことじゃなくて、』
私の言葉に聞く耳を持たないグクに強引に手を引かれ、しぶしぶ帰路についた。
.
そうして家に着くや否や、グクにそのまま机の前に座らされた。
｢ほら、書いて？｣
そう言いながら、ペンを差し出される。
.
さすがに理解が追いつかない。
グクが何をしたいのか、グクが何を求めてるのか。
…まったく、わからない。
.
『ねぇ、ちょっと待って。どういうこと、これ、』
｢え？婚姻届だけど。俺たちの年齢なら問題なく結婚できるから大丈夫だよ。｣
『違うよグク、そうじゃなくて、』
.
.
.
……なかなかペンを持たない私に、痺れを切らしたのか。
グクが思い切り、机を殴った。
…それに、思わず肩が跳ねた。
｢……グダグダうるさいな。
早く書けよ。ほら、｣
表情を一変させたグクが、私の手にペンを無理やり握らせた。
…目の前にいるグクが、"あの時"のグクみたいで。ただ、怖かった。
.
仕方なく、震える手で然るべきところに然るべき事項を記入した。
そんな私を、満足そうに見つめてるグク。
.
そうして書き終わった途端、その紙をグクが取上げた。
｢これを出せば、俺たちは完全に離れられなくなるね｣
そう言って、笑って。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
uni(プロフ) - 塩飴さん» 本当に塩飴さまのような素敵すぎる読者様に読んでいただけで、本当に幸せです。私の作品に出会ってくださり、本当にありがとうございました！これからもぜひ、よろしくお願いしますね( ；∀；) (2020年5月30日 23時) (
レス) id: 6aca3b67d4 (このIDを非表示/違反報告)
uni(プロフ) - 塩飴さん» 塩飴さん、こちらも読んでくださったんですね…！？本当にうれしいです( ；∀；)書き手として、そのような感想をいただけて本当に鼻が高いです笑 さっきからずっとにやにやしてます。（おい） (2020年5月30日 23時) (レス) id: 6aca3b67d4 (このIDを非表示/違反報告)
uni(プロフ) - もゆさん» サイコパスグクくんも、純粋テヒョンくんも、男前ユンギさんも、みんな愛していただけて幸せです(⌒∇⌒)そんなうれしい感想をいただいてしまって、さっきから本当ににやけが止まりません！！すごくうれしいです！私の作品に出会ってくださってありがとうございました！ (2020年5月30日 23時) (レス) id: 6aca3b67d4 (このIDを非表示/違反報告)
uni(プロフ) - もゆさん» もゆさん、本当に素敵なコメントありがとうございます( ；∀；)全部読んでくださったんですね…！感激です。こんな素敵な方に読んでいただけて、本当に本当に幸せです。 (2020年5月30日 22時) (レス) id: 6aca3b67d4 (このIDを非表示/違反報告)
塩飴 - たしかに毎回必ずグク出てきましたもんね。ストーカーだからか、、あと、描き方うますぎです。その視線は誰？のとこ、鳥肌立ちました。 (2020年5月30日 15時) (レス) id: a6b86ec691 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：uni x他1人 | 作成日時：2020年3月12日 22時
