70話 ページ40
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夏が始まろうとしていた頃、宮野明美を騙して組織に会った頃赤井__諸星大はライとして活動を始めようとしていた。
「彼はマティーニ。幹部の一人よ。」
ベルモットがライにマティーニを紹介した。
「…よろしく。」
少し警戒ぎみにいう諸星に西条、いや神無月はヘラリと笑う。
「ああ。よろしく!えっと…」
「ライだ。」
「ライ、だね!」
諸星は戸惑った。
こんなにも光のなかにいそうな人が影がかった世界にいるのか、と。
マティーニが処理されるまでの間、ライとマティーニはペアを組んでいた。
マティーニはその名の通りジンとベルモットに贔屓された存在だった。
いつもニコニコとしていて、朗らかだ。
諸星は疑問に思った。
何故このような人物がこのような組織いるのか?
明美と会いつつ、そんなことを思う諸星だった。
「…なあ。」
「なんだい?ライ?」
もうすぐ1ヶ月ほどたつ頃諸星はマティーニに聞いた。
「なんでこんな組織いるんだ?」
「おおう唐突だね?nocって疑われてる?」
ヘラリとまた笑いマティーニは作業をしながら答えた。
「そう言うわけじゃない。興味だ。」
「ふーん。…ライにはさ、大切な人がいる?」
「大切な人?」
…弱味でも握られてるのか?
いつも笑っている目は全く笑ってなかった。
「俺は、復讐のためにここにいる。」
「そう、か。」
「それに俺は大事なものが多すぎるんだ。困ったものだね」
ふわりと笑うマティーニ。
「…何かあったら言え。協力してやる。」
「ありがと、ライ。やさしいなぁ」
「マティーニには世話になってるからな。」
「…俺さ、俺の両親を殺した奴を探してるんだ。」
ぽつりとマティーニはいった。
「是非ともFBIには協力してもらいたいものだよ」
諸星の目が大きく見開く。
「…いつから気づいてた?」
「そんな警戒しなさんなって。」
いつもの調子でいうマティーニ。
「俺はライと似たようなもんだから。」
「nocってわけか、」
「そ。改めて俺は西条実。よろしく?赤井秀一くん。」
「調べたようだな…」
俺お得意の違法作業さ!とマティーニは言った。
諸星は、この時は知らなかったマティーニにもう会えないことを。
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作者名:チョコミント | 作成日時:2022年7月11日 19時