usssの罪と罰【utit】 (ページ37)

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推しの家族だけにはなりたくなかった

誰もが憧れるステージで輝く最推しは私の弟。
そう。いつの間にか私は弟を推し始めてたのである。
坂田Aこれが私の本名。
なぜ声で気づかなかったのかは全く分からないが、(機械を通すと声が変わるからとかだろう)私は弟の
アルバムとグッズを買い揃え、リアコまで成長してたのだ。
数年前、私が家を出ていった時、弟はまだ高1でこんな立派に成長してるなんて泣く。
それなのに私は会社で貯めたお金を注ぎ込み、愛のメッセージを送りまくっていたなんて。
しかも弟に。
最悪だ。
私は推し(弟)の彼女になれないじゃん！！
『お姉ちゃんなんてごめんだね！！』

ブラック会社のホワイトな君
『本日はありがとうございました。失礼します』
ガチャ、私は取引先の会社との電話を切った。
これで帰れる！！
時刻は12時。毎日残業お疲れさま、私！！
「A、お疲れ」
缶コーヒーを片手にセンラさんは私の隣に座り、
渡してくれた。
『センラさんありがとうございます。いただきますね！』
「はーい、それ奢りね」
『よっしゃ！』
センラさんの奢りいただきました！
「ホント可愛らしいとこないよな〜」
急に話さないでよ、びっくりするじゃん。
しかも、私が1番触れて欲しくないところだし……。
『じゃあ逆に誰が可愛らしいんですか？』
「うーん、後輩の久実ちゃんかな」
納得した。久実ちゃんは社の中で1番人気。おっとりしてて女子力が高く、誰にでも優しい女の子。つまり私とは正反対。
『そうですね。センラさんや世間一般はそういう人が好きですよね』
「あーもう、拗ねないの」
「俺はAみたいな人好きやよ」
「なんちゃって」

こんな感じです！
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