usssの罪と罰【utit】 (ページ22)

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『最初はよかったんよ。
俺、会社で気に入られようとして何でもしてたから。
お茶くみでも車の運転でも。本当はバリバリ仕事したかったけど、先輩たちは笑顔でありがとうって言ってくれたし全部やってた』

『でもある日、パソコンのデータが全部抜けてて一番良くしてもらってた人から"センラくんは仕事できないからパソコンなんていらないよね"って言われた。そっからどんどんヒートアップしていって、殴られたり蹴られたりした。冬の日に上司たちはみんな車で帰っちゃって。1人だけ取り残されたんや。有名な橋があったんや。こんな怖い思いするぐらいなら死んじゃおうって……っ』

センラさんは何も悪くなかった。
ただの被害者だった。
始めてかわいそうだって思った。

「別に焦ってないので、ゆっくり話してください。話したくないのならもう大丈夫ですよ」

私は少し過呼吸気味になっているセンラさんの背中さすりながら話す。

「誰にでも辛い過去があります。過去は変えられませんし、死んだらもっと取り返しがつかないものです。一生、後悔に呑まれるだけです。これを罰にしたうらたさんも相当ですね」

『うらたさんは悪くない……！』