小i瀧i家兄妹恋愛。 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:33,448 hit

そのろく。ページ6

.

「そうやA。前から、自分がこの家の子かどうなのか、知りたくてたまらんかったやろ？」

いきなり少し笑いながら話し始めたお母さんによって、再び体が強ばってしまった。口からえっ…と声にならないようなものがこぼれ落ちた。

固まってしまい何も言えなくなった私は、慌てて何かを発しようと口を開いたが、ぱくぱくと開閉運動を行うのみで役に立ちそうにもない。

「まあ大体どんな感情を抱いてそこを気にしてるかは察せるけどな。…恋、してるんやろ？」
「……え？」

そんなにわかりやすく態度に現れていただろうか。
しかも、普段はとても鈍感なお母さんにバレていたということになる。

もしかしてお兄ちゃんにもバレてるんちゃうん……！？

「大丈夫よ～、望の鈍感さは私の100倍やから」
「まってお母さんエスパーなん！？」

自分の考えている言葉が予測されすぎてパニックになった頭が叫び出した。すると、お母さんは「あら？」と笑って爆弾を落とした。

「ず～っと口に出してるのよ、あなた」

なんやて。
まさかの、私すべて口に出していたパターンだったようだ。
しかし、どうしてお母さんというものは鋭いのだろうか。思わず首を傾げてしまった。

「……そろそろ教えないとあかんかな」
「え？なんか言った？？」

ぽつりと私には聞こえないような音量で何かを呟いたお母さん。

「なんでもないで。そうやA。お願いが1つあるねんけど、頼まれてくれん？」
「えっ何したらええの？」

後ろ髪を若干引かれていたが、今はそれを飲み込んだ。

「お父さんと私の寝室の…机の引き出しの中をみてほしいの。少し物忘れをしちゃったから」
「わかった、見つけたらまたかけ直すね」

「 …お願い、ね」

その言葉と共に、電話はガチャりと切れた。
普段とは違うお母さんの姿に、どこか胸がざわめいていた。