小i瀧i家兄妹恋愛。 (ページ2)

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そのに。ページ2

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初めてお兄ちゃんを好きだと自覚したのはいつだっただろうか。

……多分、中学2年生の夏。
あれは、もうそこそこの年だというのに、デパートで迷子になってしまった時。

お母さんとお父さんでさえも、私のこと見つけられず迷子センターに駆け寄ろうかとする前に、お兄ちゃんが見つけてくれたらしい。

その時、すごく深刻そうな顔で、「何やっとんねん心配させんなアホ！！」って怒鳴られたのだ。

それが嬉しくて、悲しくて、何故か胸が痛くて。

それ以来、お兄ちゃんをみると心臓が煩く騒ぎ出した。この心臓のざわめきが恋だと気づくのに、あんまり時間はいらなかった。

……そして、これが叶えてはいけない恋だと知ったのも、その時だった。

それから、誰にも話すことの出来ない感情を抱き続けてきた。それが今じゃ日に日に大きくなってくるのがわかる。
毎日愛を叫ぶことである程度発散はできるけれど、どうしても根本的な解決には至らなくて。

たった二文字の言葉を本気で伝えれば変わるかもしれないこの距離感を、どうやら私は変えることが怖いらしい。

──

俺がAを好きになったのは、実はあんまりいつか覚えていない。普通に生活していたはずなのに、気がつけば恋に落ちていた。

大人になるにつれて、自分の欲望が抑えられなくなり始めたり、世間の、周りの目が思っていた以上に厳しかったりと、知りたくなかったことばかり知った。

「なあおにいちゃ～～～ん」

そんなことも知らず呑気でブラコンなAは、ベタベタとひっついてくる。

「暑い」なんて理由をつけて引き剥がしても懲りずにへばりついてくるので、自分の心を沈めるのだけでいっぱいいっぱいになってしまう。

だってこんなにも柔らかいのだ。簡単に壊れてしまいそうなほど。

たった二文字口から放つだけで変わる距離感。
こじらせすぎたせいか、いとも簡単に書くことの出来るその言葉を贈るのが怖い。

「…はあ、アイス食べよ」
「わたしもー！」

どうせなら、何も変わることなくこの距離感で生きていくのもいいかもしれない。
もしくは、離れて暮らすことも視野に入れて見てもいいかもしれない。

きっと近すぎるんや。離れてみれば、何かが変わるはずや。