そのいち。 ページ1
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「お兄ちゃん、大好き♡」
俺の妹は、毎日のように愛の告白をしてくる。
本人曰く、「死んでもなお好き♡」だそうだ。重い。
挨拶のように好き好き言ってくるせいで、若干気持ちが薄れて聞こえるのも間違いではない。
そもそも、妹を、妹ととしてなんて見ていない俺からしてみれば、そりゃあ自らの欲望を抑えるのに必死。その気持ちを知るはずもない呑気な妹は、今日もこう叫ぶ。
「 お兄ちゃん付き合お!? 」
……ええ加減本気なんかそうじゃないんかはっきりせい。
「 おはようお兄ちゃん!今日も好き! 」
私の毎朝の日課は、愛してやまないお兄ちゃんに愛を叫ぶこと。もちろんふざけてるわけじゃない。本気でお兄ちゃんが好き。
………毎日言っているせいで若干愛が薄れていっている気もするけれど。
でも世間の目は厳しい。
特に近所の人達は、兄妹以上のスキンシップがあるんじゃないかと疑っているようだ。最近の研究では、血が濃いほど子供の危険も危うくなるんだとか。
……本当に血が繋がっていなかったらよかったのに、運命は残酷だ。
私はこんなにもお兄ちゃんが好きなのに。きっと誰も認めてくれない。
血が繋がっているだけなのに。ただ、それだけなのに。好きって気持ちは、愛は、普通の恋と何一つ変わりやしないのに。
どうしてそんなに否定したがるのだろうか、なんて。
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作者名:いずみ | 作成日時:2014年12月17日 21時