◎ 癒し系彼氏【桃】 (ページ8)

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【いいところ】ページ8

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重岡Side

背のたっかい、Aの彼氏。

それに加えて、優しそうで癒しオーラが出過ぎてる。

「おっ、望！じゃあな、また来てな！！」

にこやかに笑う望に、俺も嬉しくなる。

でもあれやなぁ、こいつら、美男美女やなぁ

「お前の彼氏、偉い男前やなぁ？」

『んふふ、でしょ？』

「大事なせぇよ？」

『分かってます～』

同期でしかも同じ部署やのに、一向に変えようとしない俺の呼び名。

なんでずっと「重岡くん」なん。

「なあ、そろそろしげって、」

『重岡くん。』

「でもなんで濵田さんは」

『崇裕は崇裕』

ほら。

なんで濵田さんは「崇裕」って呼び捨てなん。

「彼氏は知ってんの？濵田さんが、」

『知ってるよ、幼馴染だって。』

「そりゃそうやんな。ごめん、変な事聞いて」

濵田さんの力でこの会社に入ったと思われているA。

でも、本当はそんなんやない。

誰よりもこの会社のことを思っていて、誰よりも好きやのに。

「無理すんなよ」

『その言葉が望からだったらしてない』

「俺の言葉は力なしかい(笑) 」

『残念』

ふぅ…とため息をつく。

疲れてるやん。お前の無理なんか、目に見えてわかんねんで。

「仕事しよ」

『しげ…おかくん、コーヒーちょうだい』

「今しげって！！！！」

『うるさいよ、重岡くん。』

紙袋からコーヒーを取り出して、手渡す。

でも、ほんまにほんまに呼んでくれたよな！？

『早く終わらして定時で帰りたいの』

「ここブラックやもんな(笑) 」

『 …あ、甘い。さすが望、わかってらっしゃる』

ブラックコーヒーも飲めないA。

それを初めて知った俺と、Aのために作られた甘いコーヒー。

彼氏の優しさが、身に染みてわかる。

『よし、頑張ろっか！』

「気合入れてこ」

俺だって、お前のこと知り尽くしたい。

お前の彼氏みたいに、俺の良さをお前に伝えたい。

たとえば？

四六時中、笑わせられるとか。

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