◎ 癒し系彼氏【桃】 (ページ48)

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『ただいま帰ってまいりましたー』

ハイテンションで部署入ってきたAはすごく幸せそう。

俺らには見せてくれないような笑顔で、手には土産を持って。

『重岡くん、わたしのお仕事やってくれてありがとう』

「いーえっ」

『崇裕、迷惑かけてごめんね』

「ええよええよ、たのしかった？」

『うん！もう最高！』

ｰ「泣いちゃった」ｰなんて、照れ笑いするA。

その姿さえも愛しくて、不意に抱きしめたい衝動にかられた。

けど、それはもちろんできない。

したらあかんことぐらい、俺もわかってる。

「おら、はよ渡せ！」

『えぇ、そんなこと言うの？』

「 A、しげには渡さんでええで」

『うん、そうだよね』

先に濵田さんに渡したA。

冗談やんか！俺が本気で言うわけ！！

『うそうそ、はい、重岡くん』

「うおっ、美味そうやなあ～」

『ご飯作るの面倒になった時に作ってね』

「結局作るんやんけ」

『ナイスツッコミさすが関西人』

本当は今日は休みのはずだったA。

土産を渡すためだけに来てくれて。

下に望待たせてんねんて、いかなあかんらしいわ。

『じゃあ2人とも、また明日ね！』

「わざわざありがとうなA 」

「お前のそういうとこ、俺好きやで」

ここでしか、すきなんて言われへんから。

意味は違えど、俺の溢れる想いを言葉にのせた。

『ふふっ、ありがとう！』

「のんすけによろしくな、気をつけや」

「 2人でゆっくり休みや」

姿が見えなくなって、濵田さんと顔を見合わせる。

「またさらにかわいくなってたな、A 」

「そうっすね、思いましたわ」

「お前、よお毎日我慢できてんな」

「心臓突き破るんちゃうかってぐらいキツいっす(笑) 」

Aからもらった土産を大切にデスクの下に置いて、

書類を持って会議室へ貰った。

これ食うために、今日一日乗り切るねん。

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