◎ 癒し系彼氏【桃】 (ページ47)

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2日目は観光名所を堪能して、ホテルでゆっくりした。

そして3日目の今日は、夕日の綺麗なところへ。

『ねぇー、どこ行くのー？』

「着いてからのお楽しみ、まだ寝てていいよ？」

『ふふ、はぁい』

眠そうな目を擦りながら聞いてくるから、一旦車を止めて座席を倒した。

音楽をかけて、また車を走らせる。

海沿いの道に出て、そろそろちょうどいい頃。

「 A、目つぶったまま歩いてな？」

『ちょ、のんちゃ、手っ、見えないから、』

「わかってる(笑) ほら、行こ？」

Aと手を繋いで、ちょっとしたビーチへ。

『え、なに、え、…砂？』

「うん、せーかい」

見せたいところまで連れてきたら、俺の手で目を隠す。

「 …はい、どぉぞ」

『うん、………わぁっ、』

目の前にはオレンジ色の綺麗な沈んでいく太陽がハート型の岩の間から見える。

『ねぇ、これって、… 』

「うん、Aがいきたいって言ってたとこ」

『なんなのもう、…っ』

「いてっ(笑) 」

涙ぐみながらバシッと叩いてくるから、俺もAに仕返しを。

「ずっと、ずっとずっと愛してるよ？」

『わたしだって、っ！』

「わたしだって？」

『 …ずっと、ずっと大好きだからぁ…っ』

ついに泣き始めたAを抱きしめて、腕の中に閉じ込める。

だんだんと濡れていく俺のTシャツ。

「もぉー、そんなに泣くー？」

『だって、…だってぇっ』

「ふふ、わかった、わかったから(笑) 」

『笑わないでよぉっ、…！』

ポカポカと胸を叩いてくるA。

その手を掴んで、そのまま抱きしめた。

『 … 』

「んふふ」

短くチュッとキスをして、また抱きしめた。

「足だけ入ろっか？」

『うんっ！』

海に向かっていくAの後ろ姿を写真に収めて、ロック画面に設定した。

『ほらっ、望もはやく！』

「はいはい、慌てないで？」

『ふふ、』ｶｼｬｯ

見せられたロック画面には、俺が下を向いて足で水を蹴ってる写真がなっていた。

『好きだよ、望』

「ん、俺も大好き」

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