◎ 癒し系彼氏【桃】 (ページ45)

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飛行機から降り立って荷物を取って外に出ると、目の前に広がる真っ青な空。

空気の読めない雲はどこにもなくて、一つもない。

ジリジリと照りつける太陽が暑い。

『沖縄だぁ… 』

ポロッと無意識のうちに零れてしまった。

「ずっと来たがってたやろ、沖縄」

『うん、もう最高、』

「ほら、行こっか？」

わたしの手をとって前を歩く望。

その背中が大きくてたくましく見える。

「なぁA、先ホテル行く？海行く？」

『海っ！！』

「おっしゃ、ほないこか♪ 」

オープンになるレンタカーを借りて、海沿いの道を走る。

気持ちいい風が通り抜けていって、わたしたちの髪の毛を揺らす。

「着替えられるところは、…あ、あった！」

『わっ、綺麗だね』

「着替えてきぃ？俺も着替えとくわ！」

荷物を持って、更衣室の中へ。

そこには、髪の毛を金髪にした若い女の子たちが4、5人いて。

若いなぁと思いながら着替えてると、

「ねぇ、お姉さん綺麗だねっ？」

『 …へっ？』

話しかけてはこないだろうと思っていたから、素っ頓狂な声がでた。

「お姉さん、あのイケメンなお兄さんの彼女さんでしょ？ほんと勝ち組だよね、羨ましい～～」

『か、勝ち組って、』

「あ、安心して？漫画であるみたいにいじわるするんじゃないから！あたしらね、お姉さんと仲良くなりたいな～って！」

何人もの女の子に囲まれて、ちょっと嬉しくなる。

『わ、わたしでよければ… 』

「お姉さん、一肌脱いだらあたしらと同じ匂いする(笑) 」

『確かにそんな気はしてる…(笑) 』

そんな女の子たちと仲良くなって年齢を聞いてみると、

ｰ「えー！？レディにそんなこと聞いちゃう！？」ｰ

なんて言われたけど、教えてくれた。

「あたしら、みーんな24！お姉さんは？」

『え、わたしが年下なの？』

「え、うそでしょ！？あたしら年上なの！？でも世代一緒じゃーん！！」

着替え終わって外に出ると、郭に寄りかかって座ってる望の姿。

あ、また痩せてる。

あれだけ太れって言ったのに…！！！

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