◎ 癒し系彼氏【桃】 (ページ42)

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【旅行】ページ42

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『じゃあ望、今日は？』

「俺が会社まで迎えに行くよ？」

『ふふ、うん！』

朝ごはんを食べながら、部屋の隅に置いてあるスーツケースを見つめる。

前からAが行きたがっていた旅行に、金土日を使って行ってくる。

『楽しみだなぁ♪ 』

「たまにも息抜きは必要やからね」

『楽しみにしてる！』

うきうきではなすAを見ながら、俺も食べ進める。

13時頃に迎えに行って、そこから空港へ向かう。

それまでに、俺は準備をしなくちゃ。

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『望、行ってきます！』

「うん、行ってらっしゃい」

抱き合ってキスをして送り出す。

茶色い髪の毛が見えなくなるまで見送ってから、家の中に戻る。

家の片付けをしながら、俺の服の準備。

「楽しみやなぁ」

こんなにウキウキしてるのはAとの初めてのデート以来。

久しいこの気持ちに苦笑いしながら、旅行中のことを思い浮かべてまた微笑む。

楽しんでくれるとええなぁ、なんて漠然と考えながら。

「 …よし、終わり！」

Aのスマホの充電器と俺のを揃えてから、先にキャリーケースを2つ、車のトランクに詰め込む。

お揃いのピアスとリング、ネックレスを小さな袋に入れてから、玄関に置いた。

「 …うわ、はやい」

気がつけばもう12時半。

部屋着から着替えて、ちょっとオシャレをしてみる。

前髪をワックスであげて固めてみて、全体的に緩くまいてみる。

そうやそうや、アイロンも必要やった。

「うん、Aの好きな俺やね」

好きだと言ってくれた格好に変身した。

「よし、行こう」

腕時計をして、玄関の袋を持って、スマホをポッケに。

財布をショルダーバッグへ、袋は車のサイドポッケに。

大切な搭乗券も持って、全部確認し終えて、家を出た。

「よろしくな、これからも」

ちょっと奮発して買ったお高めの車に声をかけてから、乗り込んだ。

望これから行くで

そう送ってから、車を発進した。

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