◎ 癒し系彼氏【桃】 (ページ19)

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「 …A？」

お昼頃になり、一度Aを起こしてみる。

おでこを触ってみても、ちょっと下がってきてるみたい。

『ん、のぞむ？』

「うん、起きれる？」

手を握って、引っ張る。

頭が重いのか、まだちょっとフラフラしてる。

「ちょっとでいいから、おかゆ食べよ？」

『 …ん、リビング、』

「うん、リビング。行こっか？」

フラフラするAを後ろから支えながら、椅子へ促す。

『美味しそう、』

「大丈夫？キツくない？」

『ん、大丈夫、ありがとう』

ぱくぱく食べ始めるA。

その間に、熱を測る。

機械音の後、ディスプレイには37.4℃の数字。

「明日は復帰できるかなあ？」

『明日は無理矢理でも行く』

「無理矢理はあかん(笑) 」

見事におかゆも食べてくれて、感激。

薬を飲ませてから、ソファへ座らせてあげる。

『のぞむ～ビデオ見てもいいかな？』

「ん、楽な体勢で見ぃや？」

『ありがと～…じゃあ、来て？』

となりをぽんぽんと叩いて、「きて？」って、誘われる。

素直に座れば、肩よりも少し下に寄りかかってくるA。

「ほんまに辛い？平気？」

『 …ん、平気、』

「眠くなったら寝てええからね？」

だんだんと回復してきてるAは、コーヒーが飲みたいと言い出して。

『甘いの、お願い…？』

「じゃあ、これ抱きしめてて？」

『ん、ありがと…♪ 』

クッションを渡して、キッチンに立つ。

熱いのは嫌がるから、アイスで。

コーヒー粉、砂糖、ミルク、お湯を少し入れる。

氷をちょんちょんと何個か入れて、カラカラとかき回す。

「 A～できたで～」

コップをもって、ローテーブルへ置く。

『ふふ、ありがとう、望』

Aの顔には、クッションの毛の痕。

どんだけ強く抱き締めてたんだろう(笑)

「痕、ついてる(笑) 」

『んふふ、知ってる(笑) 』

コップを手渡して、飲んでもらう。

今日は上手くいった、甘めのコーヒー。

『ん、美味しい～！』

回復してきてよかったなあ。

一口もらったけど、やっぱりちょっと甘かった。

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