◎ 癒し系彼氏【桃】 (ページ2)

今日:14 hit、昨日:18 hit、合計:230,435 hit

【お昼】ページ2

.

お店は、お昼が1番混む。

OLの方や、サラリーマンの方、常連さんも顔を覗かせる。

「いらっしゃいませ～」

調理室から顔を出して、空いている席を確認する。

自分がたっている目の前のカウンターと、

お店奥にある2人席には、座らないようにしている。

俺とAだけが座れる場所を、作りたいから。

「こちらのお席どうぞ？」

真ん中あたりの席に案内して、注文をとる。

1人でまわしてるから、もちろん品数も少ない。

だから、大抵の人はぱぱっと決めて頼んでくれる。

「 Bセットですね、少々お待ちください！」

調理室に戻って、パスタを茹でる。

ほとんどがパスタのメニューなっている。

「お待たせしました、Bセットです」

彼女の会社が休みの日には、Aも一緒に働いてくれる。

この間、休んでてええよって言ったのに、

『望が動いててわたしが休んでるの、なんか違和感』

って言って、お店を閉めるまで動いてくれた。

もちろん、閉める時間は早くした。

「ん？あ、来てる」

お昼休みに入った彼女からのメッセージ。

Aやっとお昼休憩! 望もそろそろ人引く頃だね? 今日は早く帰れそうです!

嬉しそうに送ってくれるAが想像できて、

俺も今日は早くお店を閉めよう、と、決意した。

「おっと、お会計ですね！」

Aにメッセージを返してるうちに、待たせてしまっていたお客様。

慌てて駆け寄って、お会計を済ませた。

お客様「あの、ここって宴会とかは、」

ここは宴会とか飲み会とか受け付けてますか？という質問。

「ごめんなさい。ここは閉める時間を決めてないので、そういったものは受け付けてないんです… 」

そう答えると、わかりやすく落ち込んでしまったお客様。

お客様「そうなんですね…とっても美味しかったから、残念です」

そう言ってもらえるのは、すごく嬉しい。

やけど、俺の1番は、ここではなく彼女やから。

「またのご来店、お待ちしております」

残り2名となった客足に、俺もほっと一息つけそうだだった。

.