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「…どうしたの？急に一緒に帰ろうなんて」
2人で肩を並べて歩く。
なんだかいつもよりちょっとだけ近い距離。
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「…俺、本気でAせんぱいのこと好きやから」
「…うん」
「せんぱいのこともっと知りたいし、
俺のことも知ってほしくて」
「…そ、か」
こんな風に2人きりの時に想いを伝えられたのは、
あの衝撃の告白以来だ。
毎日聞いてる言葉だし、わかってるつもりだったけど
小瀧くんは本当に私を好いてくれてるんだ。
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改めてそう考えると時々触れる肩すら意識して、
心拍数が上がっていく。
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「あと、単純に。
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先輩ともっと一緒におりたいな、って思って」
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何で小瀧くんの言葉は、
ぜんぶぜんぶ、そんなに真っ直ぐなんだろう。
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やばい、なんか、緊張してる今。
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「…せんぱい？」
「あ…そ、そっか。
なんか、今日暑いね！！」
急に汗をかきそうになって、パタパタと手で煽ぐ。
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「？ そうっすかね？結構涼しいですけど」
「あー、いや、あの、私暑がりだから！」
苦し紛れにそう言うと、
じーっと小瀧くんに見つめられる。
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「な、なに…？」
「いや、せんぱい、いつもより顔赤い気がして」
「そ、うかな」
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やばい顔に出てるのか。
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「大丈夫ですか？熱とかだったら」
ますますじっくり顔を覗き込む小瀧くん。
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「いや、たぶん、それは、ない」
見つめられるのに耐えられなくて、
思わず顔を手で隠す。
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「無理したら良くないですよ」
「いや、ほんとに」
ぱっ、と顔を隠していた手をどけられて、
おでこに感触。
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「…っ」
「んー…熱くはないっすかね…」
おでことおでこをくっつけられて、
いや今時この測り方ほんとにする人いるの！？
わかるのこれで熱あるかどうか？！
頭がぐるぐる。
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ほんとに、熱が出そう。
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ていうか、その、
「、ちか、い」
「っあ、ごめんなさい」
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パッと離れた顔。
どき、どき、どき。
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しばらく、沈黙が続く。
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作者名：華粉 | 作成日時：2020年5月19日 21時
