僕等の英雄仮令録【HA*IF】 (ページ4)

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3話ページ4

石黒藍真はグラウンドへと向かう前、1-Bに寄っていた。彼等もまたヒーロー科。石黒は1-Bの担任、桜田結魅(さくらだゆうみ)に用があるらしい。

「桜田。ちょっといいか。」
石黒とは違い、丁寧にこの学校のカリキュラムや行事、個性把握テストについて説明していた桜田は、石黒を見ると不思議そうな顔でうなづいた。
「じゃあ皆ー、ちょっと待っててねぇ～。」

「お話かしら？なぁに？？」
桜田は桃色の髪を触りながら言う。
「いい加減、お前のその喋り方は何とかならないのか。女々しいんだよ。」
「えぇ～、だって心は女ですもの。」
そう、彼女…いいや彼は立派な男である。彼の言う通り心は女なのだと言う。

「あぁ、つい本題を忘れていた。俺のクラスは見ない個性が多くてな。お前の所はどうだ？」
桜田は桃色の唇を突き出すと、考える仕草をした。
「そうねぇ、私のクラスでは柚木くんと南くん、それから土岐さんかしら。個性はそれぞれ、【腐化】【裁縫】【気体】よ。」
「そうか。俺のクラスには、創音天埜。個性は【創造】名前通りの個性で彼女自身成績は優秀。入試も1位通過だ。それから、歪禍来綺星。紙袋をつけていてな、顔はわからない。個性は…」
石黒は桜田の興味津々な顔を見て、溜息をついた。
「…やっぱり歪禍来についてはいい。」
「えぇ～何それ～？？」
桜田は不満そうな顔をした。

「今年は個性常駐の生徒もいてな。大狼に葉月…吸月は常駐なのか？？…まぁいい。葉月はなんとカピバラの常駐だそうだ。それから、自然系は昔から多いが、朝陽乃、水川、成瀬、優。」
何事もなかった様に続ける石黒。

どうやら、1-Aには少し問題があるらしい。