功利主義と規範主義 ページ14
「おはようございます･･･(小声」
「･･･」
昨日の方が辛かったからもうこっちはいいや。今日は一体何が待っているのか。もう何があっても待ち構えるしかない
「ショッピ、今日は外回りやで」
「はい」
「こっちは準備できとるからショッピに合わせるで」
「俺も大丈夫です」
「じゃ、行こか」
特に車に乗ることも無く、一時間ほど歩いている。その間全く喋ってないし、コネシマさんの後ろをただただ着いてくだけである。少し町外れの所まで歩き、辺りは自分の知らない建物ばかり並んでいる。
「ショート、身の危険を感じたら直ぐに逃げるんやで」
「あ、はい」
「まぁ、大丈夫やと思うけどな･･･念の為や」
「気をつけます」
何やら真っ白な建物に入り、ロビーを通り抜けて関係者室を通る。中にいる研究員のような白衣を着た人たちもこちらに反応することは無い。ズンズンと奥へ奥へ進んでいく。
コンコン
「名を名乗れ」
「コネシマだ」
「･･･お前を入れる資格はない。帰れ」
「いつまでもこのまま好き勝手出来ると思うんやないぞ」
「･･･」
「この研究所ごと消滅させるで」
「･･･分かった、入れ」
一礼して中に入ると、白衣を着て眼鏡をかける細身の男性がいた。見たとこそこそこ若く、30代前半あたりだろう。
「今日が最後の警告や。この研究所を停止しろ」
「何度言えば分かる！これは僕の研究に研究を積んだ最高傑作だ！それを壊せと？何を馬鹿げたことを！」
「お前が作った最高傑作とやらは後に人類を大変な方へ導く。それくらい分かるやろ」
「僕の何が悪い！汗水血を垂らして必死に作り上げた機械だ！」
「この機械がいつか人間全員の精神を壊す言うんねん！お前は人の心を持ってない！」
「ははっ･･･持っているだろう？俺の機械が！」
「ロボットに感情を入れたらこの世は終わりやで。壊したいんか、世界を」
「馬鹿な。この世界を効率化するに決まっている！いつまでも非効率的なことをネチネチとやるようなことをしているのか！」
「効率、非効率の前に人が死ぬようなことがあっては許されないやろ」
「･･･お前も変わったなコネシマ。昔は超功利主義だったのにな」
「･･･」
続く
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作者名：コロッケさん | 作成日時：2020年3月31日 11時
