花色 ページ30
白衣を着て手にビーカーを持つガタイのいい男がこちらに向かってきた。
「どうせ仮病でしょ〜って言いたかったんだけど、その様子だと本物かな？」
「え、え？」
とりあえず寝かして〜と冷静に返す。疑問が残る中、一番近くのベッドにゾムを寝かした。
「ちょっと手伝って〜！んと、そっちのちっちゃい男の子は寝てる子の腕を捲って。もう一人はタオルを濡らしてきて」
ロボロはちっちゃい男の子に反論がありげだが、そんなことよりもゾムを優先した。俺はこの人の言う通りに、近くにあったタオルを濡らしてくる。
「ちょっと血抜くよー、動かないでね〜」
「っい゛･･･」
少量抜き取ったようで、まじまじと見つめている。少しすれば頷きながら言った。
「･･･ノロウイルスかなぁ？」
「え、ノロウイルス！？」
「うん、風邪も混じってると思う。ノロだけだったらこんなに熱は出ない。とりあえず一回吐かせよう」
突っ立っていた俺にバケツを持ってくるよう言われた。嘔吐用と書いてあるセットを一応全て持っていき、男に渡す。
「ちょっと離れててねぇ〜」
ロボロがこちらに下がる。男は手袋をし、ゾムを持ち上げて頭がベッドから少しはみ出す場所に置く。顔の近くにバケツを置き、顔を持ち上げる。
「はい、あーんして！」
軽く口を開けると、そこに指を入れ動かす。
「ぐ、ごほっ！？う゛ぇっっ･･･」
流石に見ようとはしなかったが、音的に戻したのだろう。ロボロが俺の袖をグイグイ引っ張る。
「そうそう、上手〜」
「んっはぁ･･･うっ･･･」
「もうちょい吐こうか？」
ゾムにとっては地獄だろうけど頑張ってもらお
う。誰だか知らないけれど手つきが慣れている。
「全部出たかな？」
「うぅ･･･ｸﾞｽｯ･･･」
「お疲れぇ〜！」
バケツを持っていき、処理し終わると直ぐに戻ってきた。辛そうにゾムは泣いている。
「タオル貸してー」
渡すと、腕を拭き綺麗にし、口元もゆっくりふく。
「はい、注射するよー。三、二、一！」
ぷすりと音がしそうな刺し方をしたが、疲れ果てたゾムは抵抗どころか痛みすら感じ無くなっていたみたいだ。
続く･･･
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コロッケさん(プロフ) - スカラさん、ありがとうございます。状況に合わせて性格を作っている感じなので少し無理やりなところはあります。今後もよろしくお願いします。 (2020年3月30日 14時) (
レス) id: c86fb31072 (このIDを非表示/違反報告)
スカラ - 3回目のコメント失礼します！みんなの性格が最高過ぎます！気長に待ってるので無理せず頑張ってください！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: a52e442f29 (このIDを非表示/違反報告)
コロッケさん(プロフ) - 名無しさん、ありがとうございます！その二つは語呂というかなんかいい感じがしたので笑 (2020年3月28日 12時) (レス) id: c86fb31072 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 愛す檸檬や愛の藍…駄洒落…？ (2020年3月28日 8時) (レス) id: 57762bca71 (このIDを非表示/違反報告)
コロッケさん(プロフ) - 悠陽さん、ありがとうございます！どうしても12時に間に合わない時も多々ありますが、気長にお待ちいただければ幸いです。 (2020年3月27日 12時) (レス) id: c86fb31072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コロッケさん | 作成日時：2020年3月25日 12時
