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「俺は小エビちゃんの事ぎゅってしたいの!」
「俺はされたくないので無理です」
エペルに声をかけてエース達の席に向かう。追いかけて来るんだろうけど流石に相席なんて事はしないだろう。だって、始まってまだ5分ぐらいしか経ってないから昼食を摂り終わる時間には早すぎる。
「ただいま」
「さっきのってフロイド先輩じゃん!お前何したの?!」
「え、なにが」
フロイド先輩と呼ばれたさっきの人がいた方を見るときょろきょろと周りを見てる。多分俺を探してるんだと思うけど距離あるから大丈夫だろ。エースから話を聞くと俺が初めて見た時と印象は同じのようで。キレたら怖いし喧嘩強いから余計な事すんなって言われた。多分、殆どの理由は部活の先輩だから変に浮きたくないんだろう。だったら、お前が止めろよって言いたかったけどエースは俺と一緒で面倒事は嫌いだからやめた。
「あはっ。小エビちゃんみーつけた」
「俺は小エビじゃないです。人の名前すら言えない人に馴れ馴れしくされたくないです」
透明な小さいシールドを張って俺に近付かせないようにして席を立つ。あーいうタイプの人種は大っ嫌い。あいつを思い出すから。嫌な記憶を思い出した。腹ん中で何考えてんのかわかんない奴にわざわざ関わりに行く馬鹿がどこに行るんだ。また変な事で薬が切れたらまたエイナさん達に迷惑をかける。それだけは極力避けたい。自分を守るのは自分しかいないんだ。
「こんにちは。Aさん」
「こ、こんにちは…」
見た事ない人が俺に用があるみたいで俺の教室まで来た。俺、この人知らないんだけどなぁ。何を考えてるのか分かんない顔してへらへらと薄っぺらい笑みを浮かべて話す。俺が蹴った人との話があるようでモストロ・ラウンジに来いと言われた。1人で行く気は毛頭ない。頼み込んでジャックとエペルに着いてきてもらう。エースは面倒事だから無理。デュースは追試。
「いらっしゃいませ」
「あの。アズール先輩に呼ばれたんですけど」
「かしこま…」
「お待ちしておりました。Aさん」
すらっと長い腕が伸びて綺麗な指が俺の目の前に差し出される。ウエイトレスと俺の間に割り込んで綺麗な顔して笑う青髪の人。
「アズールはこちらにいます」
「す、凄いね」
「めっちゃ綺麗」
「おい、お前らこっちだぞ」
少し薄暗いけど壁や天井。細かいところまで装飾されていて見てられる。ジャックに言われて着いていく。少しはしゃぎすぎたな。何やってんだ。
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ピピ - やばいぐらい主人公が好みです! (2020年6月4日 16時) (レス) id: de2e77a72a (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - おっふ(^^) (2020年6月3日 0時) (レス) id: 472a16cc4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:田中 | 作成日時:2020年5月30日 11時