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『寝てれば可愛いのに…』
その一言にブチってキレた。だってなんで寝てれば、なんて冷たい事言うの？そんなに俺と関わりたくねぇのかよ。ジェイドとアズールとかは普通に笑ってんのに俺に笑ってくれたことねぇじゃん。まじ、ムカつく。小エビちゃんの腕を引っ張って俺の上に覆い被させる。離れようと力入れてるのが分かるけど男の俺に敵う訳ねぇじゃん。
『そうですね。寝てればこんな事しませんから』
冷ややかなその目。大きなシャツの襟元から丸見えの胸元。大人ぶったその表情。全部、全部ぶっ壊してやる。小エビちゃんを手に入れて誰の目にも触れない所に入れたい、壊したい。でも、そんな事したら絶対怖がるし今以上に俺から離れるよな。それだけは避けたい。まともに働いてない頭をフル活用した結果。
「ばーか」
ほんの数秒の触れるだけのキス。小エビちゃんは赤くなるでもなくただ固まってた。あんなのだったら他の男に喰われるっての。まじ無自覚も勘弁して欲しい。
「ばーかって俺の方だろ…」
ずるずると壁を沿ってしゃがみ込む。あぁ、俺何やってんだろ。嫌われたくねぇ癖に嫌われるような事考えて、最終的にはキスとかまじ俺だっせぇ。
"恋は盲目"だなんて陸の人間は言うけど実際その通りだと思う。あれから今まで以上に小エビちゃんのことが頭から離れない。学校に着いても昨日の小エビちゃんの話をしてる奴もちらほら居てイライラする。ほんと俺なんでこんな風になったんだろ。
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作者名：田中 | 作成日時：2020年5月24日 1時
