Disease (ページ10)

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私達はハウスまでの道のりを走っていた。途中エマが体勢を崩して転んでしまった。

｢鬼は…想像上の生き物で…みんなは里子に…｣

私の耳にエマの呟きが届く、横目にノーマンを見ると彼も悲しそうな顔をしていた。

｢ママは…いつもの優しいママだよね…｣

私は、エマの前にしゃがみこみ肩に手を置いた。

｢ねぇ、A、荷台のあの子…コニーじゃなかったよね？｣

私の表情が微かに曇る。

｢あれは…｣

｢あれはコニーだった｣

私が答える前に、ノーマンが被せて答えてくれた。その言葉を皮切りにエマの瞳から大粒の涙が零れていく。悲痛の叫び声をあげながら泣くエマを抱きしめ、背中を摩った。

エマにつられて鼻の奥がツンとした。

"まだ、泣いちゃダメだ"

エマが落ち着いた頃、私達はハウスに着いていた。

｢おかえり、どうだった？｣

入口を入って直ぐにランプを持ったレイが立っていた。

｢間に合わなかった｣

2人にはレイの横を通り過ぎると部屋へと戻って行った。

エマは言った。
"ここに残せば確実に殺される。これ以上家族が死ぬのは嫌だ"と。
ノーマンは言った。
"大丈夫。みんなで一緒にここから逃げよう"と。

私はそんな2人を見送ったあと、レイの横を通り過ぎ洗面所に向かった。