5本の薔薇 Ⅰ (ページ48)

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コンタクトはコツを掴めば直ぐに入るようになった。私はほっと一息着くと、鏡で自分の顔を見た。そこで、肩の傷のことを思い出した。

"2週間なんにもしてなかったけど平気かな…そろそろ見て見ないとダメだよね"

ビスケに話すことも考えつつ、私はコンタクトを買った。彼女を探すとサングラスをかけて遊んでいたようだ。

｢ビスケはなんでも似合うね｣

｢そうでしょ｣

得意気に笑う彼女を見て頬を緩める。

｢さ、次は服を見に行きましょ｣

｢え｣

"ビスケの好みにされると困る"

彼女の服のセンスだ、きっとフリフリが付いたスカートを推されるだろう。そう思い、静かに肩を落とす。

だがその考えは早々に打ち砕かれた。

｢Aにはこういう服のが似合う気がするだわさ｣

彼女が連れてきてくれたのは、確かに彼女のセンスに偏ったお店だったがその中でもシンプルなものを選んでくれていた。

"色も落ち着いてるし、これなら着れそう"

彼女の着せ替え人形になりつつ何着か選んでもらい、そのお店を出た。

お店から出るともう、辺りは暗くなっていた。
私とビスケはホテルに戻る道のりを歩いていく。

｢ホテルでご飯食べながら、お話聞かせてちょうだい！明日からは修行の始まりだわさ｣

その言葉に気を引き締めつつ。クラピカに送るメールの内容を考えていた。