5本の薔薇 Ⅰ (ページ45)

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私とクラピカはまず、携帯ショップに訪れていた。私が持っていないことを知り、クラピカが連れてきてくれたのだった。

"どれにしよう"

思いのほか種類があって私は、視線を動かしていた。

｢試しに使ってみるといい｣

そう言い、コードの繋がっている携帯を私の手に乗せた。初めて持つ携帯に少しだけテンションが上がった。

｢これにする｣

悩んだ挙句選んだのはシンプルなデザインの携帯だった。シンプルな割には機能は充実している様子。クラピカも携帯を探しているようだった。

｢クラピカも新しいの買うの？｣

｢そうだな、それもいい｣

｢これなんか如何ですか？｣

と、店員を真似てクラピカに接客をする。
クラピカは、吹き出しお腹を抑えて笑っていた。

｢そんなに笑うなんて酷くないですか？｣

｢Aもそんなことするんだなと関心してしまったよ｣

目尻に溜まった涙を指で掬いながら、呼吸を整えている。

｢…｣

｢これはAと同じなのか？…すまない、機嫌を直してくれ｣

謝られたものの、まだ不貞腐れつつ私は頷いた。

同じ機種を購入して、クラピカ、レオリオの連絡先を登録する。ハンター試験で出会ったハンゾーとポックルの連絡先も登録する。そして、携帯を買った主旨のメールを送った。