5本の薔薇 Ⅰ (ページ25)

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025 三次試験ページ25

キルアは私の話を静かに聞いてくれた。
クラピカに話したことより大まかに話していたけど、とくに言及されることもなく話を終えた。

｢んで、その病気について知りたいわけか｣

だんだんと外が明るくなった頃、キルアがそう呟いた。残念ながらキルアもその事は知らないらしい。

｢引かないの？｣

｢殺人鬼を認めてくれた奴に言われたくねーよ｣

そう言うと年相応の笑顔を見せてくれた。

｢さてそろそろ、時間か…Aは寝なくてよかったのかよ｣

｢この体質になってから、そういうの疎くなっちゃって。気にならないんだよね｣

私は血以外に欲を見せることがあまりない。食事も睡眠も…もしかしたら、キルアより私の方が殺人鬼に近いのかもしれないとそう感じた。

そこで、アナウンスがかかる。どうやら到着したらしい。飛行船を降りるとビーンズさんが説明をしてくれた。

ここは、トリックタワー。72時間以内に生きて下に来ることが条件。

何も無い円状の建物に私は首を傾げる。1人の受験生が壁を伝って降りようとしたが、怪鳥に連れていかれてしまった。

人数がどんどん減っていく。私も扉を見つけようと思い1歩踏み出した瞬間ガコンと音がして目の前が暗闇に包まれた。

"クラピカがまた私を呼んだ気がするけど気の所為かな？"