5本の薔薇 Ⅰ (ページ22)

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部屋に戻るともう何人かの人はメンチさんによって追い返されていた。
私とクラピカも台所に立つ。

"包丁があるということは、魚を捌けってことだよね"

私はゆっくりと魚に包丁を入れていく。

"確か、一口サイズだった気がする…"

クラピカ達がメンチさんに追い返されているのを耳で感じながら、私は目の前の魚と対峙していた。
形は不格好だが、それなりに出来た気がする。

私は、お皿に乗せてメンチさんの元へ持っていった。

｢うーん、形も大きさもいいわ。けど、美味しくない｣

｢そうですか｣

達成感は直ぐに崩れていった。その後、坊主の人がスシの正体をバラしメンチさんがキレていた。

"この試験、無理かもな"

そんな考えが現実になるように、メンチさんは"合格者0"を言い渡した。

｢それにしても、合格者0はちと厳しすぎやせんか？｣

少し離れていただけなのに、懐かしく感じるこの声は私を救ってくれた人の声だ。
ハンター協会の飛行船が二次試験会場の上に飛んできた。

そして、ハンター試験の最高責任者、ネテロ会長が飛行船から降りてきた。

おじいちゃんとメンチさんが話してる間、私達受験生はそれを見守っていた。どうやら、試験をやり直すようだ。

"ゆで卵"

次の試験内容を頭で反芻しながら、私は降りてきた飛行船に乗った。

飛行船が着いたのはマフタツ山、クモワシの卵を取りに行くようだ。メンチさんが崖から飛び降り、卵を持って戻ってくる。

私とクラピカ、ゴン、キルア、レオリオも続いて飛び降りた。