5本の薔薇 Ⅰ (ページ19)

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ヒソカがレオリオを連れて先に行ってしまった後、私とゴンとクラピカはゴンの鼻を頼りに走っていた。

2人はヒソカの"試験官ごっこ"について話してる様子だ。

私は最後に呟かれた言葉の意味を考えていた。ヒソカは私の体質のことを知っているようだった。ヒソカが機密事項を知る立場の人間なのか、それとも知る人間の近くにいるのか…私の頭の中でぐるぐると回っていた。

｢そういえば、A、最後ヒソカに何かを言われていたようだったが…？｣

クラピカにそう言われて、我に返る。

｢うん、私に必要な情報をあげようかって…どういう意味かわかんない｣

そう言うとクラピカは私の考えていたことを口に出した。そして、

｢ヒソカがAに薬を盛った奴と繋がっていたら…？｣

確信に触れるような、そんな言葉を口にした。そうしたら、私は今まで逃げてきたことが無駄になってしまう…

"せっかくここまで離れたのに"

私が苦しげに目を細めたのが分かったのか、クラピカは私の頭に手を乗せた。

｢私が力になろう｣

｢オレも！よくわかんないけど、Aが心配なことがあるなら力になるよ｣

そう、2人が笑ってくれたのを見て私は自然と笑顔を零した。

｢ありがとう｣

そう呟いて