忘れた頃に白い部屋＿2【ハイキュー!!】

・ ページ7

・



「この部屋が何なのかは知ってんだけどな」



「えっとじゃあ……そこの紙拾いたいので屈んでもらっていいですか？」



「？ほい」



「ぎゃイッデェ！！！！
バッ、あんた………」



「あ、すま、え、ごめん」





屈んで、と言われた木葉さんは素直に従ったつもりなのだろうが、私が棒立ちの状態で屈まれたわけですしそりゃまぁ手首死んだよね


いてぇ、ちゃんとした手錠で腹たった





ひりひりと佇む痛みに悶えながら空いている右手で紙を拾う

片眉下げたしおらしい木葉さんに紙を見せながら、お題を声に出した





「……“手錠で繋がれたまま1時間経過”、らしいですよ」



「1時間……時計ねぇな〜。
……ごめん早瀬ちゃん、手首大丈夫？」



「はい、なんともないので気にしないでください」





なんともあるけど。いや言わんけど



まぁ手首の痛みをいちいち気にしてられる女子じゃないのは誰だって承知なので、とにかくここは残る1時間をどうするか。


いやまぁ、何事もないお題で幸せですね比較的。比較的！！！！





「……普通に考えて、他校の初対面に加え異性で年齢も違うのに密室に閉じ込めて手錠で繋ぐって頭おかしいですよね」



「多分触れちゃいけないと思う」



「そっすか。
まぁ過激じゃない限りなんでもいいですけど」





私のこの発言に引っかかったらしい木葉さん


過激……？と首を傾げたかと思えば木兎以外にもここに閉じ込められたのかという疑問をぶつけてきた



私は素直に話しますよ。実際この部屋でストレスが積もってるからね



部活仲間、他校4校。音駒と梟谷に至っては県外


そしてどんなお題だったか。
恥晒しにも程があるとは自分でも思うがもう面倒だったので全部話した




(恐らく)常識人兼苦労人(なはず)の赤葦くんとも閉じ込められたことを話した





「……お疲れさま」



「労うなら代わってください切実に…」



「そう言われてもな〜、赤葦は意外」



「いやあれもう人たらしモンスターですよ」



「なにがあった」





野放しにしたらみんなメロメロパンチ食らう

あれときめきのキュンキュンどころじゃないからほんとに









そして話題が尽きたときの静寂




……やっぱりさ、いくら相手が陽キャ(偏見)で私がどんなやつでもね、初対面はちとキツいのよ


どうしたもんか





木葉さんは多分常識人だろう

わりと礼儀がなってるほうだって長年の勘が言ってる




私の長年の勘めっちゃ優れてるね



 

・→←24.木葉秋紀

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す