忘れた頃に白い部屋＿2【ハイキュー!!】

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2枚目の紙を確認できた私はそそくさに歩み寄ってその紙を拾う


え、なに？と未だ困惑している瀬見さんに“耳つぶ“の説明をしようと向き合った





「瀬見さん」



「お、おう？」



「1人が相手の耳元で甘い言葉をつぶやくこと……を、耳つぶって言うらしいですね」



「どこの恋人だよ」



「ほんと惨めになるからやめてほしい」





どこのリア充望んでそんなに馬鹿げたお題をやらせたがる？



耳つぶってあれね、耳元でつぶやくの略語なわけね？？

耳を潰す訳ではないのか






いやて腹立つもんは腹立つからねそりゃ



でも別にもういいよ、爆ぜろこの部屋とか言わないよ

けど知らない人連れ込んでまでやらせようとする意図を壊したいわけね





ほんとに嫌い！！！！！





「仮にするとして女の子が男に甘い言葉呟くのはシュールすぎじゃねえか」



「……エッ、イヤ、私は別にそれでもだい、じょうぶデス、ヨ？？」



「……いやー、でもやらせんのは」



「いえっ別に！！出られるならなんでもいいですから！！やろうと思えばできますからね！！！」



「必死か」





やられたくなくて仕方がない私はどうにか説得しようとする




……が、結果的にそれも無意味に朽ちた









俺まだ課題終わってね〜と伸びた瀬見さんは私の左に回り込む




そして、私が驚く間もないくらいの速度で耳に顔を近づけた


近すぎる距離に無意識に身構える





すぐそこで感じる瀬見さんの体温と吐息に思わず逃げようと足を動かすも、上手く固定されて逃げきれない




ふぅ、と私の耳に息をふきかけた瀬見さんは、乾いた笑みを零してから口を開いた









 


「顔、赤いぞ。
……かァいいなぁ、早瀬？」







 





……





…………う、





「───っぅぁぁ！！！！

…せ、せみさ……そんなセリフ言えたんですか、！！！」



「あー？バカにされたもんだな俺。
にしちゃあ顔赤いけど。どうした早瀬」





嘲笑的な笑みを浮かべて眉をあげる瀬見さんにまたこんの馬鹿野郎と悪態をつく






んははっ、とまた調子のいい笑いを零した瀬見さんは行くか、とこの部屋の出口へと歩いていく


遠のいていく背中にバカヤロウシネと投げかけたい衝動にかられたのは内緒にしておこう









……ある意味、本当に耳潰された






 






 







 







 





「(……やべ〜、調子こいた…)」




＿＿＿瀬見英太『耳つぶしないと出られない部屋』



 

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