忘れた頃に白い部屋＿2【ハイキュー!!】

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「……早瀬さん恋人ヅラ得意そうだね」



「褒められてる気がしない」





なんだ恋人ヅラって

恋人ヅラどころか本当の恋人になった経験すらない悲しいヤツですがなにかァァア！？？





「どうする？」



「恋人ヅラしたいところなんですけど私恋人やってきたことないんですよね」



「えっ……うっそ」



「うっそじゃないんですね死にたい」





ほらもうホント虚しいからヤメヨ？？



とかなんとか言ってっけどどちらかと言えば角名倫太郎さんの方が経験豊富そうなんですけども？？

どうするよ！！！！





「まぁいいや。
恋人って言っても……なにしよう」



「うーん……。適当でもいいかな」



「この部屋案外クソなんで。判定が外れたらイチからですよ」



「うわキッツ」





俺早く出たい、という角名倫太郎さんは少し考えるような素振りを見せてこちらに歩みよってきた




そして目の前であぐらをかいて座った

念の為もう一度言っておこう。
目の前であぐらをかいて座った





ここから何が予測できると思う？なにも考えられないよな、そうだよな



腕を引っ張られて強制的に座らされました。

角 名 倫 太 郎 さ ん の 上 に




え？もっかい言っとく？

角 名 倫 太 郎 さ ん の 上 に





「！？、え、
えちょっ、なに……！？！？」



「すごい慌てよう(笑)」



「「(笑)」じゃねーんだよ！！！」





向き合うような形で角名倫太郎さんの上に座らされ(るというか跨がさせられ)、驚くほどの至近距離に抵抗しようとすると腰に腕を回された




……は？


セクハラやぞセクハラ！！！！

腰に腕を回すのは立派なセクハラ！！！！




なかなかに恥ずかしい体制に狼狽えていると、僅かに口角を上げた角名倫太郎さんの吐息がすぐ耳元で聞こえた


突然のことに驚くまもなく、生暖かいなにかが這う感覚がする





「ばっ、やめ……っ！！」



「ん〜」





精一杯の力で胸板を押して距離を取ろうとすると、一瞬のうちに顔を離した角名倫太郎さんは艶やかに目を細めて笑う






 



「あと10分もあるのに、大丈夫？」









顔に集まる熱を無視し、相手を待つこともなく出口に駆け寄った





あんなやつもう知らない




 








 









 






 





「(……楽しかった…)」




＿＿＿角名倫太郎『10分間恋人を演じろ』






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きりんさんからのリクエストで稲荷崎でした！！
ありがとうございました！！



  

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