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「あの、さっきから気になっているんですけど……なんなんですか?部屋の壁に貼った色紙を剥がしたような跡がありますけど……」
蘭の問いに九条が答える。
「ああ、ドアプレート代わりにしていたんじゃないかな?明石周作さんは赤、翠川直樹さんは緑、小橋葵さんは青、山吹商事さんは山吹色、百瀬卓人さんは桃色、直木司郎さんは白、ってね」
その答えに上原と大和は、コナンが九条を誘った理由を垣間見た気がした。この妙に頭の切れる少年と同様、この人物も物事をよく見ている。
「部屋だけじゃなく、その6人は自分らを何かと色で区別してたみたいだぜ……見ろ、この家の倉庫から出てきた古い食事の当番表だ。ひょっとしたら実際に自分らのことを色で選んでたのかもしれねぇな」
今度は毛利が廊下に置かれた段ボールを指さす。
「あの台車に山積みにされた段ボール箱は何なんだ?」
「中身は本だが、びっしり詰まってて相当重い。外開きのこの部屋の扉が台車で塞がれていたんだよ。部屋の中の人間が死ぬまで外に出られないように……」
それを聞いた一同の視線が台車の奥にある扉へ注がれる。
「じゃあ、その部屋が問題の……」
「ああ、俺達が来た時にはすっかり痩せ細って餓死してたぜ。このおぞましい、赤い壁の部屋でな」
扉の先には、片側の壁が一面真っ赤に塗られた、奇妙な部屋が広がっていた。
「こ、これってまさか、人の血……」
「ラッカーだよ。ほら、床に落ちてるこのラッカースプレーの口んとこ、壁と同じ赤い色が付いてるよ」
コナンが床に転がったままのスプレー缶を示しながらそう言った。部屋にあるのは、そのスプレー缶と中央に置かれた二脚の椅子だけだった。
「しかし、何だこの白と黒の椅子は?わざわざ色を付けて床に釘で固定されてるようだが……」
「遺体はその白い椅子の方に座ってたわ」
それを聞いた蘭が椅子から少し離れる。
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kanayamamoto112(プロフ) - ヒロインちゃんが大和警部と由衣刑事と諸伏警部の前で能力を披露するのか気になります。 (2022年12月31日 8時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
恋透(プロフ) - kanayamamoto112さん» はじめまして。ありがとうございます!なんと1から!!滅茶苦茶嬉しいですありがとうございます!私達も長野県警大好きなので後々どんどん絡ませていこうかなと……続き多分来週には上げれるっぽいです!コロナ、インフル等々kanayamamoto112さんもどうぞお気をつけください (2022年12月18日 20時) (レス) id: 2892050d09 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - はじめまして。この犯罪都市に祝福を!第1章から見てます。ヒロインちゃんと大和警部と由衣刑事と諸伏警部との絡み楽しみです。続きが楽しみです。作者さん体調には気をつけてください。 (2022年12月16日 8時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
恋透(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» 滅茶苦茶遅くなってすみません💦💦ありがとうございます!少しずつにはなりますが更新頑張ります!! (2022年11月6日 20時) (レス) id: 2892050d09 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい!! (2021年11月25日 19時) (レス) @page37 id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:透、恋 | 作成日時:2021年10月30日 1時