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警備に当たっている衛兵以外の王宮にいた王族、メイド、SP、そして外部の全ての人間が庭園の一角に建つ大きなガゼボに集められた。
「これで全員か。」
「私達が最後だと思います。」
ミラの叔父であるジラード・ムスカ・ヴェスパランド公爵の問いに、傍に控えた衛兵がそう答えた。
「これで良かったのですか、銭形警部?」
「はい、ありがとうございます。皆さんに集まってもらったのはほかでもありません。先程王宮金庫の中からクイーンクラウンが盗まれました。その犯人と……」
そこまで言ったところで、銭形が急に座り込んだ。事前に聞かされていたAは、そっとコナンが隠れている方に目を向ける。
「いるんですよ、この中に。ミラ王女を殺そうとしている奴が。全ての発端はあの不幸な猟銃事故……」
その時、麻酔銃で眠っていたはずの銭形が大きな欠伸をした。本人は何があったのかわからないようで、周囲を見回す。
「何だ?」
「そう、事故に見せかけた殺人だったんです。ちょっと先に喋らせてくれっかな、とっつぁん?」
起きてしまったものは仕方がないとAが魔法で眠らせようとしたところで、小五郎がそう話に割り込んできた。Aはその話し方、コナンは小五郎が手に持ったビデオカメラでその正体に気付いた。
小五郎に扮したルパンがコナンの声に合わせて身振り手振りを交える。
「あの日、ジル王子は丘の上から桜の木の陰にいた狐を狙って銃を撃ったところを、キツネを逃がそうと飛び出したサクラ女王に命中してしまったのだと、ジラード公爵は証言したそうですな、ミラ王女?」
「ええ、そう聞いてるわ。」
ミラではなくその隣に立つ蘭を見ていたルパンを、蘭が睨む。
「まさかと思うけど、今また間違えなかったお父さん?」
「え、お父さんなの?」
ルパンが自らを指さし困惑している。その情報は知らなかったのだ。
「なぜあの娘がここにいるんだ?」
「日本のお嬢さんのことをご存じでしたか。」
キースがそう言うと、ジラードは少し狼狽える。
「え、ああ、SPの誰かが喋っていたのを聞いたかな……」
「すみません、勝手に王宮に連れてきてしまいました。
「そうか……」
誰にも知らせずという言葉にジラードが笑みを深めた。その様子を見ていたAはほんの僅かに顔を顰める。
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kanayamamoto112(プロフ) - ヒロインちゃんが大和警部と由衣刑事と諸伏警部の前で能力を披露するのか気になります。 (2022年12月31日 8時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
恋透(プロフ) - kanayamamoto112さん» はじめまして。ありがとうございます!なんと1から!!滅茶苦茶嬉しいですありがとうございます!私達も長野県警大好きなので後々どんどん絡ませていこうかなと……続き多分来週には上げれるっぽいです!コロナ、インフル等々kanayamamoto112さんもどうぞお気をつけください (2022年12月18日 20時) (レス) id: 2892050d09 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - はじめまして。この犯罪都市に祝福を!第1章から見てます。ヒロインちゃんと大和警部と由衣刑事と諸伏警部との絡み楽しみです。続きが楽しみです。作者さん体調には気をつけてください。 (2022年12月16日 8時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
恋透(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» 滅茶苦茶遅くなってすみません💦💦ありがとうございます!少しずつにはなりますが更新頑張ります!! (2022年11月6日 20時) (レス) id: 2892050d09 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい!! (2021年11月25日 19時) (レス) @page37 id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:透、恋 | 作成日時:2021年10月30日 1時