この犯罪都市に祝福を!!!!!

この同居人に正体を! ページ20

数日後、3年ぶりに帰国した諸伏は赤井に教えられた住所に来ていた。インターホンを押すと、玄関の扉が開きAが現れた。

Aが諸伏に家の中を案内する。

「右側手前が洗面所と風呂場、奥がトイレ。左の扉は私の趣味部屋で、突き当りがリビング。リビングに入って左の扉が寝室、右にはキッチン。私は趣味部屋で寝るから君は寝室を使っておくれ。赤井さんから聞いているとは思うけれど、取り敢えず1週間は1人での外出禁止ということで。ついでに趣味部屋には入らないこと。」

そこまで一気に言い終わると、諸伏の方を向き手を差し出す。

「とりあえず1週間よろしくね。」

「よろしくお願いします。えっと……Aさん?」

諸伏が手を握り返しながらそう言った。Aは一瞬なぜ疑問形?と思ったが、自己紹介をしていなかったことに気付いた。互いに情報だけは渡されていたため済ませた気になっていたのだ。

「ああ……AAだ。独身、独り暮らし、ペット無し。非喫煙者だけれど友人に喫煙者あり。飲酒は毎日じゃないが量は多め。あとは……まぁ追々。呼び方はAでもAでもそれ以外でも。何か聞きたいことは?」

「いえ、今のところは大丈夫です。お世話になります。」

そう言って諸伏が深々と頭を下げる。それを見たAが苦笑する。

「いや、そこまで畏まらなくても……3年前には既に潜入捜査官だったということは諸伏さんの方が年上だろうし……3、4歳差としても26?」

「え、ということはAさんは22、3……?」

体を起こし驚いたように呟く諸伏にAが問う。

「22だよ。何歳だと思っていたんだい?」

「いや、大人びてるしてっきり同じくらいか下でも25、6かと...7も下だったんだ。」

今度はAが驚く番であった。逆に7歳も年上だったのかと思い目を丸くする。

「じゃあ諸伏さんは29……随分若く見えるんだねぇ……」

「よく言われる。髭を生やしていた頃はまだそうでもなかったけどね。アメリカ(向こう)では10代に間違われたこともあったんだよ。」

「それは……でもまぁ、ただでさえ日本人は幼く見られがちだからね。」

苦笑する諸伏にAがそう返す。どちらかといえば紅魔族も日本人に近く、多少大人びているとはいえかつてAも2、3歳下に見られたことがあったのだ。

「組織にいた捜査官と聞いていたから、どんな人が来るかと思っていたけれど……諸伏さんで良かったよ。」

そう言ってAは嬉しそうに笑った。

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