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「あ、あの〜…一寸良いかな……?」




この雰囲気の中、恐る恐る右腕を挙げた谷崎。



探偵社では敦と並ぶヘタレっぷりではあるが、ここぞという時の勇気は誰もが認めるものだ。



とは云え、ここぞなんて時は普段来ないもので、誰しもが谷崎の挙手に目を丸くしていた。




「お兄様?如何しましたの?」




「えっと、その…ボクは恋愛については全く判らないンだけど。矢ッ張り傷付けた事はキチンと謝まって、それからキチンと告白をした方が良いンじゃないかと思う」



恐る恐る手を挙げた先刻と比べれば、真っ直ぐに、ハッキリと意見していた。

その真っ直ぐさは乱歩の目は段々ハッキリと開いていく程である。


他の者も今の様な暗い雰囲気から抜け出す方法を言葉にされた事で、先程より幾分か雰囲気が和らいでいた。



但し、それはナオミを除いて。




「……如何してそう思いますの?お兄様」



とナオミが問い掛ければ、谷崎はハッキリとした顔付きから一転、また恐る恐る返答し出した。



「えぇと…や、矢ッ張り謝るべき事があるのなら謝まった方が断然良いと思うし……

仮に謝まったとしても何となく気を遣い合ってギクシャクしそうだし、それなら一層の事思い切って告白した方が……」



「告白して万事解決、なんて少女漫画の様な話があるとでも?
Aさんは優しいですし、謝罪された事でかえって告白は断り辛くなりでしょうし、仮に乱歩さんか太宰さんの何方かを心に決めていたとして、それを口に出すなんて難しいでしょう」



「そ、それは…ナオミの意見は尤もだと思うけど…………」




「……んもう、ハッキリ仰って下さいな!」




「ごっ、ごめんッ!!」





兄が妹に完全に押されている状態に、誰もが不安になって来た時。









カランッと軽やかな音が響き、『うずまき』の中へ誰かが入ってきた。

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コロッk - こうゆう関係大好きです。もう神作品をありがとうございます❗新作とかもよろしくお願いします❗ (8月11日 2時) (レス) @page18 id: da276811c6 (このIDを非表示/違反報告)
みすゞ - すごくかっこいいです…。これからも応援してます! (2021年12月30日 22時) (レス) @page18 id: b518018b2f (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 野菜さん» ありがとうございます!!新作は…やる気があれば、ですね…!頑張ります (2019年11月10日 20時) (レス) id: 29bb7cf916 (このIDを非表示/違反報告)
野菜(プロフ) - 更新お疲れ様でした!久しぶりに文スト読んだけど面白かったです!新作期待してますね! (2019年11月10日 17時) (レス) id: 32f8337a40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍色 | 作成日時:2019年7月21日 17時

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