ハートが29個 ページ9
.
「Aは最初こそ警戒心剥き出しだったんだけどね。段々打ち解けてくれたんだ。因みに最初に打ち解けたのはこの僕!」
「違います、私ですよ乱歩さん」
「あら、私以前にAさんは与謝野さんと一番最初に仲良くなったと与謝野さんからお聞きした事があったのですが」
「「うっ」」
現在、賢治の三人の出会いが聞きたい、ナオミの出会った時の気持ちを思い出したら少しは今後の対応の仕方も判るだろう、との言葉により過去の話を聞いていた。
そして、その後の話をまとめるとこうなる。
Aを武装探偵社で回復するまで保護する事になり、ついでに異能の詳細を調べる事になった。
Aの両親は裏社会に手を染めて、ある日裏切りによる報復に遭い、家を焼かれAは一人逃げ出せたが両親はそこで死んでしまったらしい。
心の回復には探偵社員が付きっきりでいたおかげで長くは掛からず、半年程で心身共に回復し、無事入社試験に合格し、今に至るそうだ。
「機能回復訓練や異能訓練、それに慣れない仕事に直向きに頑張る彼女の姿に私は段々惚れていったんだよ」
「僕は一目惚れだけどね。何しろ彼女とはそういう運命だからね」
「もう…妙なとこで張り合おうとしないで下さい」
話を聞いているうちにナオミの怒りはすっかり治った様で乱歩と太宰の言葉に笑みを浮かべていた。
「でも、なんだか素敵ですねぇ…
そんなに素敵な話だったのに、如何して今はこんな事になったんですかね」
ふう、と満腹で幸せそうな賢治がそう呟く。
「それは、惚れたから告白したいと前から思ってて…お酒には強かった心算だけどなんかこう良い気分になってさ、つい告白しちゃって。
でもこんな締まらない告白は嫌だったか、
もう我慢せずアタックして振り向かせて…そしてまたちゃんと告白しようと思ったんだよ。
そしたら………私とした事が、焦り過ぎてたみたいでね…もう如何すれば良いか判らなくて」
太宰が悔しそうに顔を歪め、俯く。
「僕も同じ様な感じだな。
焦って傷付けて…自分なりのフォローはしてみたけど、良いのか悪いのか、その後は如何すべきかなんて矢張り判らなくてさ……」
店内は、賢治達が入ってきたような険悪な雰囲気とはまた違って、重苦しい雰囲気に包まれていた。
70人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コロッk - こうゆう関係大好きです。もう神作品をありがとうございます❗新作とかもよろしくお願いします❗ (8月11日 2時) (レス) @page18 id: da276811c6 (このIDを非表示/違反報告)
みすゞ - すごくかっこいいです…。これからも応援してます! (2021年12月30日 22時) (レス) @page18 id: b518018b2f (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 野菜さん» ありがとうございます!!新作は…やる気があれば、ですね…!頑張ります (2019年11月10日 20時) (レス) id: 29bb7cf916 (このIDを非表示/違反報告)
野菜(プロフ) - 更新お疲れ様でした!久しぶりに文スト読んだけど面白かったです!新作期待してますね! (2019年11月10日 17時) (レス) id: 32f8337a40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藍色 | 作成日時:2019年7月21日 17時