ハートが33個 ページ13
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「えっ!Aさん具合が悪いんですか!?」
「…敦、違う」
「鏡花の云う通りだよ、全く。
…Aは気付いちまったんだ。自分の気持ちに。
そうだろ?A」
与謝野さんの言葉に少し照れ臭い気もするが、コクッと頷く。
『私、やっと判りました。
あの人の事が、多分ずっと前から好きだったんです。
否、屹度好きなんて言葉では収まり切らない程想ってます。
それなのに…今迄気付けなかった事が不思議で堪らない』
自分の気持ちを自覚したからか、はたまたココア無味無臭事件、もとい恋煩いが解決されたからなのか心がやけに軽くなった様に思う。
真っ赤になっていた顔は今は笑顔になっていると思う。
「それで、如何するんだ?告白するのか?」
『えっ!?そんな、何云ってるんですか!』
「そうですよ国木田さん!!あ、あ、愛の告白、だなんて…!!」
突然の国木田さんの爆弾発言により、顔はまた赤くなった。
敦君はと云えば何故か私より焦っている。
「国木田のウブが敦に移ったかねェ」
「ウ、ウブ!?」
「否そんな事より、
妾は国木田が云った様に今すぐ告白した方が良いと思うよ」
「そんな事より…」
ウブと云われそしてそんな事で片付けられた敦君に哀れみの目を向けながらも、
何故今すぐなのか、と与謝野さんに問う。
「どうせアンタの事だ、気持ちを伝えたいけど勇気が無いだとか何とか云って、また悩むに決まってるさ。
そんな事するぐらいならこの勢いのまま告白しちゃえば良いだろ?」
『…成程、確かに私なら悩みそうです。
でも今は昼休憩…と云うかもう終わってます。
誰も戻って来てないから屹度依頼解決に赴いているんじゃないですか?
だから、告白なんて今は無理ですよ!』
幾ら気持ちに気付いたからって今すぐ告白は無理だ。
与謝野さんが云った通り、そんな勇気は無い。
しかも、今迄猛アタックしてくれてたけど、私が泣きそうになったせいで二人を傷付けて、
今は避けられているんだ。
こんな状態のまま告白したって屹度フラれる。
…当たって砕ける勇気なんて無い。
「今は無理?否、そうでもないよ。
あの二人なら、今『うずまき』に居るだろうから」
『え、如何云う__』
「どうもこうも無いよ!ほら行っておいで!
大丈夫、当たったって砕けやしないさ!」
……こうして私は半ば無理矢理社内から追い出された。
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コロッk - こうゆう関係大好きです。もう神作品をありがとうございます❗新作とかもよろしくお願いします❗ (8月11日 2時) (レス) @page18 id: da276811c6 (このIDを非表示/違反報告)
みすゞ - すごくかっこいいです…。これからも応援してます! (2021年12月30日 22時) (レス) @page18 id: b518018b2f (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 野菜さん» ありがとうございます!!新作は…やる気があれば、ですね…!頑張ります (2019年11月10日 20時) (レス) id: 29bb7cf916 (このIDを非表示/違反報告)
野菜(プロフ) - 更新お疲れ様でした!久しぶりに文スト読んだけど面白かったです!新作期待してますね! (2019年11月10日 17時) (レス) id: 32f8337a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍色 | 作成日時:2019年7月21日 17時