6(蛙吹と) ページ25
(蛙吹梅雨視点)
お茶子ちゃんと同じインターン先で無事活躍できてホッとしたものの、やっぱり授業との両立は大変。
補習も受けているのだけれど少し苦手分野が出来てしまってどうしようと悩んでいたら、士 郎ちゃんが声をかけてくれた。
「梅雨ちゃん、悩み事？」
「ケロ…悩み事と言う程でもないの…ただ、ちょっと勉強でつまづいているところがあって」
私がそう言うと、士 郎ちゃんは少し考えるそぶりをする。
その腕にはまだ包帯が巻かれたまま…。
前に、まだ怪我が治らないのかと心配になって聞いたら、治ってはいるけど跡が残って気持ち悪いから見えないようにしていると言っていたのを思い出す。
心配してくれてありがとうと言われた…きっと、優しい士 郎ちゃんは周りを気遣って傷跡を隠しているのだと思った。
だって正直に言ってしまうと、士 郎ちゃんは見た目に頓着しないし、グロテスクなものも全然平気なんだもの。
でも、そんな士 郎ちゃんの優しいところが私は好き。
「あのさ、梅雨ちゃんさえ良ければ図書室の自習部屋で一緒に勉強しない？その…約束してる相手が居るんだけど、梅雨ちゃんなら平気かな…って」
「約束してる人って？」
「あー…、B組の、物間」
よくA組を目の敵にして話しかけてくる少し精神が心配な男の子。
でも、士 郎ちゃんがその子と仲が良いのは知っているし、士 郎ちゃんの友達が悪い人だとは思わないの。
「士 郎ちゃんが良いなら、お願いしたいわ…でも、私定期テストで満点取れる自信はないの」
期末試験の時、上鳴ちゃんに満点取ると約束する人にしか勉強を教えないと言っていた事を思い出す。
「あぁ…あれは上鳴を体良くあしらうための冗談だから大丈夫…内緒だよ？」
「ケロ…えぇ、秘密にしておくわ」
少し悪戯っぽく笑う士 郎ちゃんの表情に、胸が弾む。
入学当初の士 郎ちゃんは、今と変わらず優しかったけれど、どこかみんなとの間に壁を作っていた。
でも、最近はその壁も薄くなって、いろんな表情を見せてくれるようになった。
これって、仲良くなれている証拠よね。
「じゃあ、図書室に行こうか」
「えぇ、お願いするわ、士 郎ちゃん先生」
「先生だなんて言われると、ちょっとプレッシャー感じちゃうな」
言葉とは裏腹に、士 郎ちゃんの表情は柔らかい。
不謹慎にも、勉強で躓いて良かったなんて思ってしまったのは私だけの秘密。
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南雲 - 15(相澤と出水と)の、 サラサラの士郎の髪 というところが、 サラサラの○○の髪 になっていました。何度も指摘してしまい申し訳御座いません。 (2019年4月27日 20時) (
レス) id: ab81cf682c (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 15（相澤と出水と）で○○表記を発見しました。 (2019年4月15日 15時) (レス) id: ab9bf8adfb (このIDを非表示/違反報告)
こんにゃく(プロフ) - 南雲さん» またもご報告ありがとうございます！早速確認、修正させていただきました。いつもありがとうございます(o^^o) (2019年3月4日 22時) (レス) id: c539e3da02 (このIDを非表示/違反報告)
南雲 - 11(敵退散後)、14(病院)、15(病院)、16(病院)に○○表記発見致しました！ いいえ！これからも頑張ってくださーい！(>д<) (2019年3月4日 21時) (レス) id: 049d822b72 (このIDを非表示/違反報告)
こんにゃく(プロフ) - 南雲さん» コメントに星ポチまでありがとうございます！一気読みしていただけたとのことで、長かったとおまいますがそう言っていただけてとても嬉しいです！また、○○表記のご報告ありがとうございました！確認、修正させていただきました。 (2019年3月3日 9時) (レス) id: c539e3da02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんにゃくの様な何か | 作成日時：2019年2月28日 21時
