【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ9)

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(相澤消太視点)

次々教師が倒されていく中、俺は菊地原に接近する。
目視できる位置から個性を消した。

…ヒーローコスチュームに戻ったのに手元の銃は消えない。何故だ？

「相澤先生…」

「流石にこのままじゃ教師陣の面子が丸潰れなんでな」

「ぼく相手に近接勝負ですか」

菊地原が銃を構える。

俺は素早く捕縛布を展開した。個性を消しているということは、菊地原は今聴覚も人並みだ。
流石にいつもの様な身のこなしはできないはず。

その予想が、甘かった。

「ダメですよ、先生…聞こえなくても見えてるなら十分です」

菊地原はまっすぐ、捕縛布をかいくぐり俺の目前まで迫る。
瞬間、銃身で殴られそうになるのを腕で塞ぐ、が、重い…。

「…っぶな…そこは捕縛布込みで防御してくださいよ…危うく骨折るところだったじゃないですか」

その口ぶりから寸前で俺が腕だけでガードするのを見て、攻撃の勢いを殺されたのだと知った。
…生徒に手を抜かれるとは。

「やっぱ近接戦って楽しいですよね」

菊地原がそんな事を言い、銃で殴りかかり続ける。
俺はそんな菊地原の一瞬の隙をつき、なんとか銃に捕縛布を巻きつけ奪い取る。
これで攻撃手段は失った。

「ところで相澤先生…今回ぼくに目をつけられていると思ったでしょう？」

すると、菊地原はそのまま俺の前に飛び出してくると、至近距離で口を開いた。

「ばーん」

いつも通りの、無表情。棒読みの発砲音。
手ぶらの菊地原。急に体に走る激しい痛み。

倒れる寸前見えたのは、腹部から緑の粒子を流す菊地原…。

…元々、菊地原は俺の目潰しで、本命は遠くからの出水の狙撃か…！

そう理解すると同時に、意識が薄れていった。
しかし、痛みがないからといって味方ごと撃つなんて…とんでもない戦法だ。

「いやー、プロヒーローが情けない！手も足も出なかったね！」

校長の言葉に、意識を取り戻した教師達は体の痛みに呻きながらも、返す言葉もなかった。

「あまり無茶に動かない方が良いですよ…物質が貫通してないだけで、弾丸で撃ち抜かれたダメージは確かに入ってますから」

菊地原の言葉に、教師陣の顔は更に青ざめる。
まさに、圧倒的。一方的な狩りだった。
菊地原と出水は初期地点からほぼ一歩も動いていない。近づく前に発砲され気絶させられる。

「いやー、銃って案外使えるんだな」

「そうだね…でも」

「「やっぱ扱いにくいや」」

嫌味か……。