【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ50)

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ぼくはインターンについて考えていた。
あまり、乗り気がしない…。

いや、もし現場に出られるのなら、個性有りの対人戦の経験を早くに付けたい。
けれど、両親達の言葉が引っかかる。

ヒーローは、自分の命をかけて市民を守る存在…だけど、両親は僕たちに自分をもっと大切にする様言っていた。
当然だ。愛してもらっている自覚はあるし、今世の家族のことも、ぼくだって大切に思っている。

…なら、市民も守って、自分の身も自分で守れる様にならなあといけない。

ふと、風間隊を思い出す。

チーム…作れるのだろうか、ぼくに。

もし、前世の様に信頼しあえる仲間とヒーロー活動ができるのなら、それこそ敵無しな気分だ…でも、実力的に、今組んで、ぼくが最大限に活きる相手は出水ぐらい…。

他のヒーローやクラスメイトを格下に見てるわけじゃない。単純に、能力や人格の相性…何より、実力というものは嘘をつかない。
強くなるためにチームを組んで、逆に誰か1人の負担になる様では、だめだ…。

ぼくはゆっくり考え事がしたくて、先日回原が拾ってくれたヘッドホンをつけようとした。

「あ…」

ずっと、首にかけていたし、細部まで見てなくて、気づかなかった。
ヘッドホンの内側に、小さく、子供の字で書かれた文字。

『Dear My Hero From Sachi&Fuku』

「ひーろー…」

ヘッドホンをつける。

静かな空間…前世では、これすら煩い世界だと感じていたというのに、慣れというものは恐ろしい…それでいて、自分の努力がたしかに身を結んでいることに気づく。

少しずつ、探していこう。

両親に安心してもらえるようなヒーローになれる道を。

暫く集中して、ネットでインターンの受け入れをしてくれそうなヒーロー事務所とその近辺の最近の事件数と解決数などをピックアップしていると、電話がかかってきた。

『非通知』

…出るべきか？

暫く見続けても止まない通知に、防音ヘッドホンを外した。

「…」

『あっ、もしもしー？士郎ちゃん？』

「…」

『えっ、繋がってるよね？ホークスなんだけど』

「あぁ、ホークスさんでしたか、すみません
いきなり非通知からの電話で驚きました」

『ごめんごめん、雄英にインターンの話出てるって聞いてさ、士郎ちゃんうちに来ない？』

職場体験後言ってたこと、本気だったのか…でも。

「すみません、お断りします」

『即答？！』

今学ぶべきは、そこじゃ学べない…。