【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ49)

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(天喰環視点)

その後、ミリオは自分の個性の種明かしをした。
使い勝手の悪い個性…それを、『強くした』こと。
インターンで学べること……。

「それにしても、菊地原さんはどうして俺を殴れたんだい？」

「え…口で説明するのは凄く、難しいんですけど…ぼくは耳が良いので、通形先輩が透過している時と実態化している時の空気の音で、個性と個性の使い方を判断しました。

実戦向きではないですが…。
敵が通形先輩1人だけだったからこそ、目を閉じて余計な情報を全て遮断することで、実体を持った物質が近づく音が通形先輩の殴れる部分と判断し、透過される前に思いっきり殴ることができた…って感じです」

……周りの空気が固まる。
一部理解できていない生徒が他の生徒に聞いているが…俺は、菊地原さんは努力の人なのだと感じた。

ミリオと同じだ。

耳が良い。それだけで終わらせず、聞こえる音の分析力、常に相手を観察し対応を考える冷静さ…何より、恐らく個性無しであろう状態であそこまでのパワー。

一見細身で、華奢に見えるが、あれだけの威力の打撃…相当鍛えている。

……眩しい。

「そういえば俺に蹴りを入れた彼は？」

ミリオの言葉に先程吐いていた男子生徒を見ると、顔面蒼白でその場に項垂れていた。

「あー…そいつは、目が良いんです
良すぎて、見えないものまで見えます
なので、透過して地面に沈んだ先輩がまたワープした様に現れるその動きの細部も見えていたんだと思います

ただ…」

「ただ？」

「…その、なんというか…ぼくらの個性はそっくりで、お互いの間だけなら、感覚の共有やテレパシーの様なことができるんです

なので、ぼくの聴覚情報を共有していたんですが…脳のキャパを超えて、……見ての通りです」

菊地原さんは凄く複雑そうに指をさした。
指をさされた男子生徒は不服そうだ。

「俺は感覚派だから士郎みたいには使いこなせねぇんだよ！」

「なら最初から貸せとか言わないでよ…」

「こういう時じゃないとお前貸してくれないじゃん！練習ちょっとでもしたかったんだって！」

2人の様子を、他のクラスメイト達は微笑ましそうに見ていた。

生徒の中から、また双子が喧嘩してる、なんて言葉が聞こえてくる。
双子…には、見えないが、それほど仲が良いということなのか、似ているということなのか…。

少し、胸がモヤモヤした。