【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ5)

今日:5 hit、昨日:19 hit、合計:135,545 hit

7 ページ5

(相澤消太視点)

ヒーロー科１年の期末…演習試験の内容について職員達で集まり相談することとなった。

ヴィランが活発になっている今、例年通りロボットの戦闘なんて非合理的な試験じゃダメだ。
そこで生徒ごとの相性や実力などを考え、教師相手の実践型の試験をすることとなった。
しかし、問題は…。

「菊地原くんと出水くんが、規格外すぎるから困りものだね！」

校長が盛大に笑うが、周りの教師陣は笑えない。
誰と組ませたって、絶対にその相手を活かしたうえで合格する。かといって、個人でやらせても結果は同じだ…。

「そもそも、この会話自体菊地原には聴こえていますよ、校長」

俺がそう言えば校長はそうなんだよねー！と笑う。いや、だから笑えない。

「まぁ菊地原は試験内容をバラしたりしないでしょう…アイツは生徒の成長を望んでいますし、その手伝いこそすれど、邪魔はしません」

体育祭以降自信喪失が見えた八百万が、すっかり立ち直っていたのは恐らく菊地原絡みだろう。
轟も、入学早々の戦闘訓練で菊地原に煽られた事により自分の弱点克服に努めている。

そんな2人の試験の相手をするのかと思うと、俺も気を引き締めなければと思う、が…。

「…いっそ、当日当人達に相談しよう！」

校長の発言に、空気が固まる。

「ということで菊地原くん！出水くんにも伝えておいてね！！」

校長が菊地原が聞いている前提でそんな事を言った…良いのか、それで。

明日は試験だという事で、いつもより早く下校の時間となった。
明日の筆記試験開始時刻や連絡を念のため確認し、解散。
生徒達は帰宅していく中、菊地原は学生カバンを持って、こちらに近づいてきた。

「相澤先生」

「…、菊地原、どうした」

「公平には帰りに伝えますが…恨みますからね」

それだけ言うと、菊地原はお疲れ様でしたと言って背を向け教室を出て行った。
それを慌てて、カバンに荷物を詰め込んだ出水が後を追う。

恨みますから、の、副音声で、覚悟しろと聞こえた気がした

…校長……どうするんですか、これ…。

俺は明日の試験を思って、深い溜息を吐いた。
もういっそ、試験なしで2人を合格にする方が合理的な気がしてきた…なんて教師にあるまじき考えだろうか。