【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ39)

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女子って恋バナが好きなんだね…聞くのは良いけど、自分を対象にされると戸惑ってしまう。
だって…恋って…そもそもぼくの恋愛対象ってどっちになるんだ…？
『私』のときは…たぶん、凡人だったから、異性…男の人が好きだった、と、思う…いや、仕事ばかりで興味が薄かったからこれは予測だが…。

前世では、人とまず関わらなかったから、そういった話題すら出なかった。

……待て、転生前からぼく、枯れてる…？

今だって、誰かが好きだとか惚れたとか、そういう話題に興味が持てない…恋愛対象がどっち？と考える以前の問題だった。

…まぁ、いいか、成るように成るよ。

切り替えていこう。

男子棟に行き、出水に大量のクッキーを渡す。
今日も訓練で大分エネルギー消費したからね…。

出水は嬉しそうに受け取ってくれた。いつもの習慣だけど、部屋が隣同士じゃなくなって食べ物の受け渡しが少し面倒になった…寮生活での唯一の不便さはこれだな。

それからぼくの手元に残ったのはラッピング袋に残った普通の量のクッキー。

心音で、既に葉隠が自分の部屋で休んでいるのに気づいていたから、あとで届けようと思っていたものだ。
持ち歩く必要なかったな…と思いつつ、もう一つの目的地へ向かう。
ゴミ捨て場だ。

個人的に大量の食事やお菓子を食べていると、当然、材料の切れ端や包装のゴミが出る。
それらをまとめて捨てに行く…予定だったのだが……。

どうしよう。

ゴミ捨て場に、聞き覚えのある心音が居る…すっかり忘れていた相手…三年生の、先輩、天喰さん…なぜゴミ捨て場に……？
いや、しかし、このまま引き返したら、なぜゴミを捨てずに帰ってきたのか共有スペースに居る女の子達に不思議に思われる…。

会いたくない…けど…そもそも相手がぼくだと、気づかない可能性だってある。

そうだ、早くゴミを捨ててすぐに立ち去ればいい。

そう自分を鼓舞し、ゴミ捨て場に向かう。

相手が、ぼくの足音に気づいたのか心臓がドクリと鳴った。すみません…そういえば妙に人見知りな印象の人だった…。

あの人のためにも早く用を済ませよう。
そう思って、ゴミ袋を突っ込む。
踵を返そうとしたとき、天喰さんの心臓がさらに早くなった。

「え…ぁ、菊地原、さん……」

あー…もう無視できない、な。